ウクレレのサイズの違い|ソプラノ・コンサート・テナー・バリトンを長さで比べる

公開:2026-10-03 最終更新:2026-10-03 運営:asobilab

ウクレレには、ふつうソプラノ・コンサート・テナー・バリトンの4つのサイズがあります。ちがいの中心は、楽器の大きさと、弦の長さ(スケール長)です。このページでは、長さの数字を図で比べ、音色や手の大きさとの関係を、楽器メーカーや販売店の解説をもとに整理しました。「これが正解」と決める記事ではなく、選ぶときの目安として使ってください。

4つのサイズを、長さで比べる

まず、数字から見ます。楽器メーカーのブログや楽器情報サイトでは、全長がソプラノ約21インチ、コンサート約23インチ、テナー約26インチ、バリトン約30インチと紹介されています[1][2][3]。1インチは2.54cmなので、センチに直すと約53cm、58cm、66cm、76cmです(この換算は自分で計算しました)。

スケール長は、約13・15・17・19インチという並びで紹介されることが多い数字です[1][3]。つまり、ソプラノからバリトンへ進むごとに、おおよそ2インチ(約5cm)ずつ長くなります。

4つのサイズの全長とスケール長の比較ソプラノは全長約21インチ・スケール約13インチ、コンサートは23と15、テナーは26と17、バリトンは30と19。棒の長さは数値に比例している。全長(楽器全体)スケール長(弦の振動する長さ)ソプラノ21 in(約53 cm)13 in(約33 cm)コンサート23 in(約58 cm)15 in(約38 cm)テナー26 in(約66 cm)17 in(約43 cm)バリトン30 in(約76 cm)19 in(約48 cm)棒の長さは数値に比例(1インチ=17px)。スケール長は資料ごとに幅があります。
図1 4つのサイズの全長(茶)とスケール長(青)。数値は出典の目安を図にしたもので、メーカーや機種で多少ちがいます。出典 [1][3]。センチへの換算は自分で計算。

数字は「目安」です

同じサイズでも、資料によって数字が少しずつちがいます。たとえば、スケール長を、ソプラノ約345mm・コンサート約380mm・テナー約430mmとする販売店の解説があります[5]。一方、ヨーロッパの楽器販売店の解説では、ソプラノ約35cm、コンサート約38.5cm、テナー約43cmで、バリトンは約51.5cmとされています[4]。別の資料では、スケール長に「13〜14インチ」「15〜16インチ」のような幅をもたせています[2]。

これは、メーカーごとに設計がちがうためと考えられます。インターネットで買うときは、サイズの名前だけでなく、スケール長や全長の数字が書かれていれば確認すると、思っていた大きさとのずれが減ります。書かれていないときは、販売店に問い合わせる方法もあります。

スケール長とは? なぜ指の感覚が変わるのか

スケール長は、弦が鳴るときに振動する部分の長さです。ナット(ヘッド側の端の部品)から、ブリッジのサドル(ボディ側で弦を受ける部品)までの長さをさします。この長さが長いほど、フレットとフレットの間も、そのぶん広くなります。

フレットの位置は、ナットからの距離がスケール長に比例するように決まっています。たとえばスケール長が13インチなら、1フレット目までは約18.5mm。同じ計算を19インチでするとおよそ27.1mmです。図2は、この計算で、1〜5フレットまでの位置を、4つのサイズで同じ縮尺で描いたものです(自分で計算した値で、実際の楽器では数ミリのちがいが出ます)。

スケール長ごとの、1〜5フレットの位置スケール長が長いほど、ナットから各フレットまでの間隔が広い。1フレット目までの距離は、13インチで約18.5ミリ、15インチで約21.4ミリ、17インチで約24.2ミリ、19インチで約27.1ミリ(計算値)。ソプラノ(スケール 13 in) 1フレットまで 約18.5 mm12345コンサート(スケール 15 in) 1フレットまで 約21.4 mm12345テナー(スケール 17 in) 1フレットまで 約24.2 mm12345バリトン(スケール 19 in) 1フレットまで 約27.1 mm12345左端がナット(ヘッド側)。90px=1インチで、4本とも同じ縮尺。数字はフレット番号。
図2 スケール長ごとの、1〜5フレットの位置。フレットの位置は、ナットから「スケール長 × (1 − 2の(−n/12)乗)」で計算(nはフレット番号)。自分で計算した値。

図からわかるように、長いサイズほどフレット間隔が広く、指を置く余裕が出ます。ソプラノのフレット間隔はせまく、指が太めの人には窮屈に感じることがある、と説明する資料があります[3][4]。大きいサイズほどフレット間隔が広くなることは、メーカーの解説にも書かれています[7]。一方で、スケール長が長い楽器ほど、弦をおさえる位置までの距離も長くなります。おさえやすさは、指の長さ・弦の張りぐあい・楽器ごとのつくりでも変わります。

音色の傾向

よくいわれる傾向を、資料の言い回しをもとに整理します。ソプラノは、明るく、軽く、ウクレレらしい素朴な音といわれます[5][6]。コンサートは、ソプラノよりも音がふくよかで、中音域が出て、あたたかいといわれます[6]。テナーは、音が深く、よく伸びるといわれます[5][6]。バリトンは、低い音がいちばん出て、アコースティックギターに近い音と説明されます[6][1]。

ただし、音色は、サイズだけで決まりません。ボディの木の種類、つくり、弦の種類、弾き方でも大きく変わります[7]。「サイズ=音色」と決めつけず、ちがう楽器を聴き比べるのが近道です。

チューニング(弦の音の並び)のちがい

ソプラノ・コンサート・テナーは、ふつう、4弦から1弦へG・C・E・Aの並びに合わせます。バリトンだけは、D・G・B・Eで、ギターの細い4本の弦と同じ並びとされています[1][4][5]。

サイズによる弦の音の並びのちがいソプラノ・コンサート・テナーは4弦から1弦へ、G・C・E・A。バリトンは、D・G・B・E。ソプラノコンサートテナーG4弦C3弦E2弦A1弦バリトンD4弦G3弦B2弦E1弦
図3 サイズによる弦の音の並び。出典 [1][4][5]。

この並びがちがうと、同じ指の形(コード)でも、出る音がちがいます。ソプラノ・コンサート・テナーの間では、コードの指の形をそのまま使えます[3]。バリトンは、ほかのサイズより音の並びが4度(ドからファの幅)ほど低いため、同じ指の形でも、別の名前のコードになります[4][2]。

手の大きさとの関係

資料の説明をまとめると、おおむね次のようにいわれます。ソプラノは、小さな手や、体の小さい人に合いやすい。コンサートは、ソプラノより少し大きな手の人に向く。テナーやバリトンは、大きな手の人に向く、という説明です[6][3]。ソプラノを、年の若い人や初心者向けと紹介する資料もあります[6]。

手の大きさだけでなく、楽器を抱えたときの安定や、どんな弾き方をしたいか(コードを鳴らして歌うのか、ひとつずつ音をつないで弾くのか)でも、合うサイズは変わります。そのため、一般的な答えは「持ってみて、ネックをにぎって、弦をおさえてみる」ことです。

重さや持ち運びも、サイズで少し変わります。テナーは、ソプラノより重く感じる、と説明する資料があります[2]。サイズが大きくなると、ケースや持ち運びのかばんも大きなものが必要になります。ケースは楽器のサイズに合うものを選ぶ必要があるため、買う前に、全長の数字を確認しておくと安心です。

サイズ選びで試せる工夫

  1. 楽器店で、2サイズ持ち比べる。ソプラノとコンサートなど、隣り合うサイズを持ってみます。販売店の解説にも、店頭で試して決める方法が書かれています[5]。
  2. 左手でCのコードをおさえてみる。指が窮屈か、余裕があるかを見ます。
  3. 抱えたときの長さを見る。座って抱えたとき、肩やひじに無理がないかを確かめます。

ウクレレはじめ帳では、どのサイズ?

ウクレレはじめ帳の練習ページは、4弦から1弦をG・C・E・Aの並びとして、音とコード図を作っています。そのため、ソプラノ・コンサート・テナーなら、そのまま見比べて練習できます。バリトンの場合は、並びがちがうため、図の音とは別の音になります。バリトンで練習するときは、弦の並びをそろえるか、別の資料で指の形を確認してください。

よくある疑問

最初の1本は、どのサイズがいい?

資料によって意見が分かれます。ソプラノを、いちばん一般的で、初心者向けとして紹介する資料があります[5]。コンサートを、フレット間隔に余裕があって無難な選択として勧める資料もあります[3]。どちらかが正解というより、手の大きさと、弾きたい曲で選ぶ話といえます。

ソプラノは「子ども用」ですか?

「子ども用」と決まっているわけではありません。資料では、年の若い人や、手や指が小さい人に合いやすいサイズとして紹介されています[6]。いちばん小さく、いちばん一般的なサイズだと説明する資料もあります[5]。大人が選ぶかどうかは、手の大きさと好みしだいです。

サイズが変わると、練習した曲は弾けなくなる?

ソプラノ・コンサート・テナーは同じG・C・E・Aの並びなので、同じタブ譜やコードをそのまま使えます[3]。ただし、フレット間隔が変わるため、指の感覚は少し変わります。

あとから別のサイズに変えてもいい?

変えても、弾き方の基本は引き継げます。ソプラノ・コンサート・テナーなら弦の並びが同じなので、覚えたコードや曲はそのまま使えます[3]。最初の1本で迷いすぎるより、まず1本で弾き始めて、手になじむかどうかを確かめる進め方もあります。

バリトンを選ぶのは、どんな人?

ギターを弾いたことがある人が、移りやすいといわれます[4]。弦の並びがDGBEなので、ギターの細い4本と同じ指の形が使えるためです。

参考にした資料

  1. Deering Banjos「Ukulele Sizes – Soprano, Concert, Tenor & Baritone」(楽器メーカーのブログ。全長21・23・26・30インチ、スケール13・15・17・19インチ、フレット数の範囲、GCEAとDGBEの別を確認)
  2. Live Ukulele「Beginner Guide to Choosing the Right Ukulele Size」(スケール長の幅(13〜14、15〜16、17〜18、19〜20インチ)と全長21・23・26・30インチを確認)
  3. UkuTabs「ウクレレのサイズ比較ガイド(日本語版)」(スケール長13・15・17・19インチ=約33・38・43・48cm、ソプラノ全長約21インチ、バリトン全長約30インチ、gCEAとDGBEの別、手の大きさに関する説明を確認)
  4. Thomann「Ukuleles: Which size or scale length you need it?」(楽器販売店の解説。スケール長 約35・38.5・43・51.5cm、チューニング、ソプラノはフレット間隔がせまい旨を確認)
  5. 島村楽器 モレラ岐阜店「【失敗しないウクレレの選び方】初心者にもわかりやすく解説」(楽器店の解説。弦長 約345・380・430mm、音色の説明、バリトンはDGBE、店頭で試す旨を確認。バリトンの数字は記載なし)
  6. Kala Brand「Ukulele Size Chart with Soprano, Concert, Tenor, and Baritone sizes」(楽器メーカーの解説。スケール長の差(約1インチ・約2インチ・約3インチ)、音色、手の大きさとの関係の説明を確認。数値の表は記載なし)
  7. Martin Guitar「ブログ記事(2021年7月、ウクレレのボディサイズの解説)」(楽器メーカーの解説。サイズが大きいほどフレット間隔が広いこと、木の種類・つくりも音に影響することを確認。数値は記載なし)

この記事について:上の資料は、すべてページを開いて内容を確認しました。ただし、いずれも楽器メーカー・販売店・情報サイトの解説で、公的機関や規格の資料ではありません。サイズごとの寸法に統一した決まりがあるかは確認できていないため、数字は「目安」として書いています。インチからセンチへの換算、1〜5フレットの位置(図2)の計算は、自分で行ったものです。寸法は機種ごとにちがうため、実際に買うときは販売ページの数値を確認してください。専門家の監修は受けていません。内容に誤りがあれば、お知らせください。

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