コード進行とは?簡単な曲の選び方|C・F・G7でできる曲の探し方
コード進行とは、曲のなかでコードが並ぶ順番のことです。この記事では、コード進行の基本の見方と、C・F・G7 の3つでできる曲の探し方、選ぶときのコツを説明します。コード譜や歌詞は載せていません。曲名は、コードを資料で確かめられたものだけを挙げます。
コード進行とは
コード進行は、英語では「a succession of chords」、つまりコードのつながりと説明されます[1]。曲の途中で、コードがC → G7 → C のように、決まった順番で変わっていきます。メロディの下で鳴る、伴奏の流れです。ウクレレはじめ帳でも、この意味で「コード進行」と呼んでいます[9]。
コードは、1小節ごと、あるいは2拍ごとに変わります。何がどの順番で変わるのかがわかると、はじめて見る曲でも、弾けそうかどうかを見分けやすくなります。
ローマ数字で見る I・IV・V7
音楽の説明では、コード進行をローマ数字で書くことがあります。これは、音階の何番目の音を土台にしたコードか、という意味です[1]。
C メジャーの音階は、C・D・E・F・G・A・B です。1番目の C を土台にしたコードが I(C)、4番目の F が IV(F)、5番目の G が V(G)です。この I・IV・V の3つを、スリーコードと呼びます[2]。資料では、この3つのコードで、長音階の7つの音がすべて使われると説明されています[2]。筆者も確かめました。C(C・E・G)、F(F・A・C)、G(G・B・D)に出てくる音を集めると、C・D・E・F・G・A・B の7つがそろいます。
V の代わりに、4音の V7(G7)を使うことがよくあります。G7 は、C メジャーで G・B・D・F の4音です[3]。ウクレレはじめ帳の基本の3コード C・G7・F は、この I・V7・IV にあたります[9]。
ローマ数字で見ると、キーが変わっても、進行の「形」は同じに見えます。曲を選ぶときは、この形を手がかりにできます。
3つのコードの役目
コードには、曲の中での役目があります。ある解説では、C メジャーの C をトニック(安定した響き)、F をサブドミナント(やや不安定)、G や G7 をドミナント(トニックへ帰ろうとする響き)と呼んでいます[6]。
この3つをつなぐ、基本のながれが2つ紹介されています。ひとつは、安定したところから離れて、また戻る C → G → C です。もうひとつは、少し寄り道をする C → F → G → C です[6]。G7 を使うと、シとファの響きがぶつかるぶん、C に戻りたい力が強まるといわれます[6]。V7 が I に向かう力が強いことは、英語の資料でも説明されています[1][3]。
ウクレレはじめ帳の練習曲でも、C と G7 の行き来が中心です。かえるのうた、メリーさんのひつじ、歓喜の歌は C と G7 の2つ、きらきら星は C・F・G7 の3つで伴奏します[9]。これは、ウクレレはじめ帳での伴奏のつけ方です。ほかのコード譜とは、ちがう場合があります。
スリーコードの代表、12小節ブルース
スリーコードの曲の代表的な形として、12小節ブルースが紹介されています[2]。I-I-I-I、IV-IV-I-I、V-IV-I-I と、4小節ずつ3段で12小節です[1]。これを C のキーに置き換え、V を G7 にすると、図2のようになります。
C・F・G7 の3つだけで、12小節ぶんの伴奏ができます。I・IV・V だけを使う曲は、伝統的な曲やロックなど、さまざまなジャンルにあると説明されています[1]。1段目の C が4小節続くところは、ジャラーンと4拍ずつ弾く練習になります。2段目の F に切りかわる場面は、コードチェンジの練習にもなります。
「王道進行」は、C・F・G7 とは別もの
日本のポップスでよく聞く「王道進行」という言葉があります。これは、IV → V → iii → vi の並びのことです[8]。C メジャーで書くと、F → G → Em → Am です[7]。基本の形は7th(セブンス)のコードで書かれることもあり、FM7 → G7 → Em7 → Am と紹介されています[8]。
注意したいのは、王道進行は C・F・G7 だけではできないことです。Em と Am が必要です。ウクレレはじめ帳では、Em は「ほかのコード」にあり、押さえ方は 0432 です[9]。筆者が音名を数えると、4弦から G・E・G・B で、E・G・B のコードです。指を4フレットまで伸ばすので、最初のうちは少し難しい形です。
王道進行の曲を探すときは、はじめに Am と Em を練習してからにするのが無理がありません。この記事では、王道進行の曲名は挙げません。コードを資料で確かめられていないためです。
簡単な曲を選ぶコツ
ここからは、一般にいわれる目安です。研究で効果が確かめられた方法ではありません。コード譜にある「m」や「7」などの記号の意味は、最初のコードの記事で説明しています。
- コードの種類は、少ないほどやさしい。C・F・G7 の3つだけの曲から始めます。ウクレレはじめ帳では、C・G7・F・Am の4つだけで弾ける曲を選ぶよう案内しています[9]。
- キーは C を選ぶ。同じ曲でも、キーちがいのコード譜がいくつもあります。C のキーなら、練習した形がそのまま使えます。
- コードが変わる速さを見る。1小節(4拍)に1コードの曲は、切りかえに余裕があります。ウクレレはじめ帳では、きらきら星が2拍ごとに変わるため、いちばん最後に挑戦する曲としています[9]。
- 歌える曲を選ぶ。歌いながら弾くと、コードが変わるタイミングが体で覚えられます[9]。
C・F・G7 でできる曲の例
楽器メーカーの Fender の解説では、初心者向けの曲として「Lava」が C・F・G7 の3つで弾けると紹介されています[4]。同じ会社の別の解説には、「Happy Birthday」が C・G7・F の3つと書かれています[5]。
また、I・IV・V だけで作られた曲の例として、The Troggs の「Wild Thing」が英語の資料に挙げられています[1]。ただし、この資料にはキーが書かれておらず、C のコード譜が使えるかどうかは確かめていません。
どの曲も、キーや編曲によってコードが変わることがあります。コード譜を探すときは、コードの名前を自分の目で確かめてください。
コード譜の探し方
ウクレレはじめ帳では、好きな曲を弾くときは「曲名 ウクレレ コード」で探し、はじめは C・G7・F・Am の4つだけで弾ける曲を選ぶ、としています[9]。手順にすると、次のとおりです。
- 「曲名 ウクレレ コード」で、コード譜を探します。
- コード譜に出てくるコードの名前を、全部ひろい出します。
- 種類を数えて、まだ押さえ方を知らないコードがないかを確かめます。
- キーが C かどうかを見ます。ちがうときは、C のキーのコード譜がないかを探します。
楽譜や歌詞には著作権があります。権利者の許可を得て公開されているものを使いましょう。
よくある疑問
G7 の代わりに G でもいいですか?
音がちがうコードなので、響きも変わります。G は G・B・D の3音で、G7 はそこに F が加わった4音です[3]。G7 のほうが C に戻りたい力が強いといわれます[6]。コード譜に G と書かれていたら、書かれたとおりに G を弾くのが基本です。
キーが C ではない曲は、どうすればよいですか?
ローマ数字で見ると、形は同じです。たとえば G のキーなら、G の長音階は G・A・B・C・D・E・F♯ なので、I が G、IV が C、V7 が D7 になります。これは、筆者が計算した例です。D7 は、ウクレレはじめ帳では扱っていません。
王道進行は、C・F・G7 でできますか?
できません。王道進行は、F・G・Em・Am のように、Em と Am を使います[7]。
コード進行は、暗記したほうがいいですか?
暗記は必須ではありません。効果を調べた研究は確認していませんが、弾きながら耳で慣れていく進め方が一般的です。まずは C・F・G7 の3つの切りかえを、ゆっくり練習しましょう。
参考にした資料
- Wikipedia(英語)「Chord progression」(コード進行の定義、ローマ数字、12小節ブルースの度数、V7 が I に向かうこと、「Wild Thing」が I・IV・V の例として挙がっていることを確認。補助資料)
- Wikipedia(英語)「Three-chord song」(C のキーのスリーコードが C・F・G であること、3つの三和音で長音階の7音がそろうこと、12小節ブルースが代表的であることを確認。補助資料)
- Wikipedia(英語)「Dominant seventh chord」(C メジャーの G7 が G・B・D・F であることを確認。補助資料)
- Fender「How to Play Ukulele: A Beginner's Guide」(楽器メーカーの解説。「Lava」が C・F・G7 の3つで弾けることを確認)
- Fender「A Beginners Guide to Ukulele Chords」(楽器メーカーの解説。「Happy Birthday」が C・G7・F であることを確認)
- UtaTen「ダイアトニックコードとは」(トニック・サブドミナント・ドミナントの役目、C → G → C と C → F → G → C のながれ、G7 の説明を確認)
- UtaTen「王道進行(4536進行)の解説」(王道進行が IV → V → iii → vi で、C メジャーでは F → G → Em → Am であることを確認)
- Wikipedia(英語)「Royal road progression」(王道進行の定義と、C メジャーでの FM7 → G7 → Em7 → Am の書き方を確認。補助資料)
- asobilab「ウクレレはじめ帳」の練習ページ(運営者の作成。コードとコード進行の説明、練習曲ごとのコード、Em の押さえ方、曲の探し方の案内を確認)
この記事について:確認できたのは、上の9つの資料に書かれていることです。楽器メーカーの資料は Fender の2ページだけで、日本の楽器メーカーや楽譜出版社の公式の解説、音楽理論の教科書は、開いて確認できていません。コード進行の説明は英語版 Wikipedia と、2つの解説ページ(UtaTen)が中心で、日本語版 Wikipedia のコード進行のページは開けませんでした。曲の例は、資料でコードを確かめられたものだけを挙げています。「Wild Thing」は、キーまで確かめられていません。7つの音がそろうこと、Em の構成音、G のキーでの I・IV・V7(G・C・D7)は、筆者が音名を数えて確かめました。簡単な曲の選び方は一般的な目安で、効果を調べた研究を確認したものではありません。専門家の監修は受けていません。誤りがあれば、お知らせください。