ウクレレのタブ譜の読み方|4本の線・数字・リズムをやさしく解説
タブ譜は、「どの弦の、何フレットをおさえるか」を数字で書いた譜面です。ウクレレは弦が4本なので、4本の線と数字だけで読めます。音符が読めなくても大丈夫です。覚えるきまりは、線・数字・左から右の3つ。このページでは、この3つと、迷いやすいリズムの見方を、図で順番に説明します。
タブ譜とは? 五線譜とのちがい
五線譜は「音の高さと長さ」を書く譜面です。タブ譜は「指の場所」を書く譜面です。楽器のどこを触れば目当ての音が出るかが、数字でそのまま読めます。ギターでも同じ考え方で、線の数が6本になります[3]。ウクレレのタブ譜も、ギターなどと同じ書き方を、4本線にしたものです[4]。
タブ譜の考え方は、古くからあります。パイプオルガン用の記譜が、1300年ごろの欧州で使われた最初の例とされています[4]。新しい発明ではなく、長く使われてきた書き方です。
ただし、タブ譜には弱点もあります。「どこをおさえるか」はよくわかる一方で、「どれくらいの長さで弾くか」は、数字だけでは読み取りにくいのです[1][2]。この点は、後半の「リズム」で説明します。
きまり1 4本の線は、4本の弦
線は弦を表します。ウクレレのタブ譜では、上の線がA弦(1弦)、下の線がG弦(4弦)という並びが一般的です[1][2]。標準の調弦は、1弦からA・E・C・Gです[5]。
気をつけたいのは、ウクレレをかまえたときの見た目と、上下が逆になることです[1]。かまえると、床にいちばん近い弦が1弦で、あごにいちばん近い弦が4弦になります(ウクレレはじめ帳の練習ページの説明です)。タブ譜では、床側の1弦が上に書かれます。
もうひとつ、「下の線ほど低い音」とは限りません。標準の調弦では、4弦のGが、3弦のCより高い音になる「高いG」の並びが使われます[5]。ウクレレはじめ帳の練習ページでも、いちばん低い音は3弦のドです。線の上下と、音の高さは別のものと考えると、混乱しません。
なお、線の並びに統一された決まりはない、と説明する資料もあります。弦の名前を譜面の左に書いて、どちら向きかを示すのが一般的な工夫です[4]。はじめて見る譜面では、左端のラベルを先に確認しましょう。
きまり2 数字は、フレットの番号
線の上に書かれた数字は、その弦の「何フレットをおさえるか」を表します。0は、指でおさえずに、弦をそのまま弾くことを意味します[1][2][3]。おさえない弦も「0フレット」と数えるわけです。
フレットは、ヘッド(ペグがある先)に近いほうから、1・2・3と数えます。「2」と書いてあれば、数えて2つめのフレットの手前を、指先でおさえます。ウクレレはじめ帳の練習ページでは、「数えたフレットのすぐ手前(ヘッド寄り)」をおさえる、と説明しています。
ここで、よくある勘違いがひとつあります。タブ譜の数字は、指の番号ではありません。タブ譜の「2」は2フレットのことで、中指で弾くという意味ではありません。コード図に書かれた数字は、指の番号を表します(練習ページの説明:1が人さし指、2が中指、3が薬指)。タブ譜とコード図では、数字の意味が違うので、注意してください。
きまり3 左から右へ。縦にならんだら同時
タブ譜は、文章と同じで、左から右へ読み進めます。数字が横にならんでいれば、その順に1音ずつ弾きます。数字が縦に重なっていれば、それは同時に鳴らす和音(コード)です[1]。
図4の右の例は、4本の弦を同時に鳴らすCコードです。1弦だけ3フレットをおさえ、ほかの3本はおさえません。コードの伴奏は、こうした縦並びのタブ譜でも書けますが、練習ページではコード図で説明しています。
リズムの書き方|タブ譜は「音の地図」
タブ譜は、音の場所を示す「地図」のようなものだと説明されることがあります[1]。道順は書いてあっても、歩く速さまでは書いてありません。インターネットなどで配られる文字だけのタブ譜は、とくに音の長さが読み取れません[2]。
そこで、タブ譜に長さの情報をたす工夫がいくつかあります。
- 五線譜といっしょに書く。タブ譜の上に五線譜を重ねて、音の長さは五線譜で読む形です[2]。
- 長さの記号を添える。線の上や下に、四分音符・八分音符などの長さを示す記号を書き添える形があります[4]。
- テンポや拍子を書く。速さと拍子が書いてあれば、数字のならび方から、音が近いか遠いかの見当をつけられます[3]。
ウクレレはじめ帳の練習ページでは、次のように表しています。数字の丸の下に短い棒を置き、棒の長さが音の長さです。棒が2倍なら、2拍分のばします。縦の線は小節の区切りで、練習ページの曲はすべて4拍子です。
図3は、かえるのうたの出だしです。ド・レ・ミ・ファと1拍ずつ弾き、2小節めはミ・レと進んで、最後のドを2拍ぶんのばします。慣れないうちは、「1・2・3・4」と数えながら見るとつかみやすくなります。
かえるのうたを、タブ譜で読んでみよう
では、図3を使って、実際に読んでみます。ウクレレはじめ帳の練習ページのタブ譜と、同じ約束で書いています。
- 線の並びを確かめる。上が1弦、下が4弦です。
- 最初の音を読む。3弦の線に「0」。3弦をおさえずに弾くと、ドです。
- 次の音を読む。同じ3弦の線に「2」。3弦の2フレットをおさえると、レです。
- 線がうつる。次は2弦の「0」でミ、そのあと2弦の「1」でファ。数字と線の組み合わせを、1つずつ追います。
弾くときは、最初はゆっくりが基本です。一般にいわれる進め方ですが、速さより「間違えずに1音ずつ」を優先すると、あとで速くしやすくなります。練習ページには、音をタップするとその音だけ鳴らせる機能があるので、わからない音は先に1音だけ試すと安心です。
タブ譜に慣れるための進め方
ここからは、研究で効果が確かめられた方法というより、一般にいわれる進め方です。合う、合わないがあるので、取り入れやすいものだけ試してください。
- はじめに、線と弦を指でなぞる。タブ譜の1本目の線を指でさして「1弦」と言い、同じ弦をウクレレで触ります。目と手がつながると、あとで迷いにくくなります。
- 数字を、声に出して読む。「3弦の0」「3弦の2」のように、弦と数字をセットで声に出します。頭の中で、場所の地図が組み立てやすくなります。
- 1小節ずつ区切って弾く。最初から最後まで通そうとせず、1小節か2小節ずつに分けます。弾けた小節をつなげていくと、曲の形が見えてきます。
- 弾けない所は、先に1音だけ試す。同じ数字が出てきたら、その音の位置は同じです。1つ覚えると、ほかの場所にも使えます。
タブ譜は、読めるようになると、インターネット上の多くの譜面を自分の力で試せます。ただし、どんな譜面でも「線の並び」「0の意味」「長さの書き方」の3つを最初に確認する習慣をつけておくと、安心です。
よくある疑問
五線譜が読めなくても、タブ譜で弾けますか?
はい、位置はタブ譜だけで読めます[1]。ただし音の長さは、数字だけではわかりにくいので、練習ページのように長さの印がある譜面から始めるか、曲を聞いて拍をつかんでおくと迷いにくくなります[1][2]。
ほかのタブ譜は、線の並びが逆ではありませんか?
並びを決める統一されたルールはない、と説明する資料があります[4]。ウクレレでは、上がA弦(1弦)の形がよく紹介されています[1][2]。見慣れない譜面では、左端の弦名やラベルを確認しましょう。
タブ譜の数字とコード図の数字は、同じ意味ですか?
いいえ。タブ譜の数字はフレットの番号です。ウクレレはじめ帳のコード図の数字は、指の番号を表します。
数字が「0」のときは、何もしなくていいのですか?
左手でおさえないだけで、弦は弾きます[1][2]。「0の弦を、弾く」と覚えてください。
参考にした資料
- ukutabs「ウクレレのタブ譜の読み方」(ウクレレ情報サイト。A弦が上、G弦が下の並びで、実際のかまえ方とは逆であること、数字がフレット、0が開放弦、縦に並ぶ数字は同時に弾く和音、タブ譜は音の位置を示すもので長さの情報はないことを確認)
- LiveUkulele「How to Read Ukulele TABs: Visual Guide」(ウクレレ情報サイト。上からA・E・C・Gの順に4本の線が並ぶこと、開放弦を0と書くこと、文字だけのタブ譜では音の長さを示しにくいこと、五線譜を重ねた形があることを確認)
- Fender「How to Read Tabs」(楽器メーカーのギター向け解説。線が弦、数字がフレット、0が開放弦であること、テンポや拍子が添えられる場合があることを確認。ウクレレ向けの記述はこのページになし)
- Wikipedia「Tablature」(補助資料。線の向きに統一された決まりがなく、左に弦名を書く工夫があること、音の長さの記号を線の上に添える形があること、ウクレレにも同様の書き方が使われること、オルガン用の最初期の例が1300年ごろとされることを確認)
- Wikipedia「Ukulele」(補助資料。ソプラノの標準調弦がGCEAで、4弦のGが高い「高いG」の並びであることを確認)
この記事について:上の5つの資料のページを実際に開いて、書かれている内容を確かめました。ウクレレの楽器メーカーや協会による、ウクレレ専用のタブ譜解説は確認できていません(Fenderのページはギター向けです)。資料2点はウクレレ情報サイト、2点はWikipediaで、補助的な位置づけです。図1〜4の弦の並び・音名・押さえる位置は、ウクレレはじめ帳の練習ページ(調弦はGCEA、タブ譜の線は上から1弦→4弦)と一致するように、運営者が自分で確かめて描きました。専門家の監修は受けていません。内容に誤りがあれば、お知らせください。