8ビートとは?ドラムの基本リズムの叩き方と、練習のコツ
ドラムを始めると、たいてい最初に出てくるのが「8ビート」です。
ポップスやロックでよく聞く、「ドン・チッ・タン・チッ」というあのリズムです。
この記事では、8ビートがどんな形のリズムなのか、どう数えて、どの順番で組み立てると叩きやすいのかを、楽器店やメーカーの解説を確かめてまとめました。
8ビートとは、どんなリズム?
ドラムセットの中でも、ハイハット、スネア、バスドラムの3つは「ドラムの3点」と呼ばれ、8ビートなどのリズムをつくる中心になります[2]。
- ハイハット:2枚のシンバルを重ねたもの。右手で細かく刻みます。高い「チッ」の音です。
- スネア:小太鼓。左手で叩きます。中くらいの「タン」の音です。
- バスドラム:大きな太鼓。右足でペダルを踏んで鳴らします。低い「ドン」の音です。
ハイハットで8分音符を刻んだものを「8ビート」、16分音符を刻んだものを「16ビート」と呼ぶ、と説明されています[2]。
8分音符は、1拍を2つに分けた長さの音です。4拍で1小節なので、1小節にハイハットを8回刻むことになります[4]。
3つの音の位置
ヤマハの教則集では、8ビートの1小節を1〜8の番号で分けて説明しています。
基本の形(POP1)は、1番で右手と右足、2番で右手だけ、3番で右手と左手、4番で右手だけ。5〜8番は1〜4番のくり返しです[1]。
これを拍で言いかえると、ハイハットは8回すべて、スネアは2拍目と4拍目、バスドラムは1拍目と3拍目になります(図1)。
別の解説でも、バスドラムは1拍目と3拍目、スネアは2拍目と4拍目、ハイハットは8分音符で刻む形が紹介されています[5]。
島村楽器の教室の体験レポートでも、スネアは「8つ数えたうちの3番目と7番目」で叩くと書かれています[3]。
リズムはじめ帳の「リズム一覧」にある8ビートも、この形です。再生すると、いま鳴っているマスに枠が付くので、音の位置を目で追えます。
数え方は「ワン・エン・ツー・エン」
8ビートを叩くときは、4分音符の拍だけでなく、そのあいだも数えます。
ヤマハの教則集では、4分の4拍子のとき「1 & 2 & 3 & 4 &」と数え、「&」は「エン」と読むのが一般的な練習法だとしています[1]。
声に出すと、「ワン・エン・ツー・エン・スリー・エン・フォー・エン」です。1つの声に、1回のハイハットが重なります。
| 数え方 | 1 | エン | 2 | エン | 3 | エン | 4 | エン |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ハイハット(右手) | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| スネア(左手) | ● | ● | ||||||
| バスドラム(右足) | ● | ● |
「ワン」と「スリー」で足、「ツー」と「フォー」で左手、と覚えておくと、声と体の動きを結びつけやすいと思います(筆者の考え)。
手から足へ、段階を追って組み立てる
両手と片足を同時に使うので、いきなり全部を合わせると難しく感じます。
サウンドハウスの解説でも、8ビートは両手足を使うので難しく感じるとして、一打ずつ落ち着いて、ゆっくり叩くようすすめています[6]。
ヤマハの教則集では、右手だけ(1ウェイ)から始め、右手と足(2ウェイ)、両手と足(3ウェイ)と、少しずつ増やす方法が紹介されています[1]。
ここでは、それにならった順番を例にします。
ステップ1 右手だけで、8回刻む
「ワン・エン・ツー・エン…」と声に出しながら、右手でハイハット(家なら鍋のふちやパッド)を8回、同じ強さで刻みます。
まず、ここが一定の速さで続くことをめざします。
ステップ2 右手に、足を足す
「ワン」と「スリー」で、右足を踏みます。家なら、床を軽く踏むか、クッションを踏む形で代わりにできます。
ハイハットと足が、ぴったり同時に鳴るように合わせます。
ステップ3 左手のスネアを足す
「ツー」と「フォー」で、左手でスネア(家なら、タオルを敷いた机)を叩きます。
ここで右手と左手が同時に動くので、どちらかが遅れやすくなります。
なお、足し方の順番は資料によって違います。
島村楽器の体験レポートでは、手だけのリズムが安定してから足(バスドラム)を加える順番で教わったとあり、手と足を同時に動かすと崩れやすいと書かれています[3]。
一方で、まずバスドラムとスネアだけで叩いてから、ハイハットを加えるようすすめる解説もあります[5]。
サウンドハウスの解説のように、右足と左手、右足と右手など、組み合わせを変えて練習する方法もあります[6]。
決まった正解は1つではないので、やりやすい順番で構いません。どの順番でも、最後に3つをそろえることが目標です。
よくあるバリエーション
基本の形に慣れたら、少しだけ変えた形にも挑戦できます。資料で確かめられたものを紹介します。
バスドラムを1つ増やす
ヤマハの教則集には、基本の形に、4番(2拍目の裏)でバスドラムを足したパターンが出てきます。
また、2番(1拍目の裏)にバスドラムを足したパターンもあります[1]。足が1つ増えるだけで、前に進む感じが変わります。
リズムはじめ帳のリズム一覧にも、「8ビート(ドンが増える)」(2拍目の裏にドン)と、「8ビート(裏にドン)」(3拍目の裏にドン)があります。
ハイハットを開く
ハイハットを少し開けて叩くと、「シャーン」と伸びる音になります。
サウンドハウスの解説では、オープンハイハットのビートではハイハットが4分音符になり、叩きやすくなると紹介されています[6]。
ヤマハの教則集では、開いたハイハットは左足のペダルを踏まないと音が止まらないので、左足のタイミングに注意するよう書かれています[1]。
16ビートやハーフタイムへ
ハイハットを16分音符にすると16ビートになります[2]。
リズムはじめ帳には、16ビートのほか、スネアを3拍目だけにしてゆったり聞かせる「ハーフタイム」もあります。
8ビートとの違いを、聞きくらべてみてください。
テンポとメトロノームの使い方
練習のテンポは、ゆっくりから始めるのが基本です。
ヤマハの教則集では、パターンを組み立てるときは曲のテンポでなくても構わず、ゆっくり始めるよう書かれていて、メトロノームに合わせてくり返し練習するよう案内されています[1]。
- 島村楽器の体験レポートでは、8ビートのテンポの目安が♩=80〜90あたりで、ゆっくりから少しずつ上げたと書かれています[3]。
- サウンドハウスの自宅練習の解説では、テンポ60、80、100で練習し、慣れたらテンポを上げていく方法が紹介されています[8]。
- サウンドハウスのドラム講座のページでも、一定の速さで叩けるよう、メトロノームを使った練習がすすめられています[7]。
リズムはじめ帳では、リズム一覧の8ビートのテンポを動かせて、「クリックも鳴らす」でメトロノームの音を重ねられます。
「タップ判定チャレンジ」では、8ビートを選び、ハイハット・スネア・バスドラムのうち1つのパートだけを自分でタップして、ずれを確かめられます。
つまずきやすいところ
資料で注意されている点と、そこから考えられる対策をまとめました。
| つまずき | 資料で言われていること | 対策の例 |
|---|---|---|
| 音がつぶれる、すぐ疲れる | 強く握ると疲れやすく、音がつぶれ、手首を使えなくなる[1] | 親指と人差し指で持ち、ほかの指はそえるだけにする[1] |
| 手と足を合わせると崩れる | 手と足を同時に動かすと崩れやすい[3] | 手だけを安定させてから足を足す[3] |
| 叩く前に雑音が出る | スティックを打面に当てたままにするクセがあると、雑音が入る[1] | 打面から2〜3cm浮かせて構える[1] |
| 速いテンポで崩れる | ゆっくりのテンポから始める[1][8] | 通せるテンポまで下げ、少しずつ上げる |
| 数えるのを忘れる | できたら、カウントを声に出して叩く[1] | 小さな声でも「ワン・エン…」と言い続ける |
2拍目と4拍目は、右手のハイハットと左手のスネアが同時になります。
片方だけ先に出ていないか、録音して聞き返すのも1つの方法です(筆者の考え)。
参考にした資料
- ヤマハ「ドラムスコア/教則集(DTX)」PDF(1〜8の番号で示す8ビートの形、右手ハイハット・左手スネア・右足バスドラム、「1 & 2 &」の数え方と「エン」、1ウェイから3ウェイへ増やす練習、バスドラムを足したパターン、オープンハイハットと左足、ゆっくり始めてメトロノームで練習、持ち方、打面から2〜3cm浮かせる構え。ファイルを開いて確認)
- RAG Music ドラム入門(ラグインターナショナルミュージック)「ドラムセットの基礎知識。各パートの名称と役割」(ハイハットで8分音符を刻むと8ビート、16分音符なら16ビート。ハイハット・スネア・バスドラムは「ドラムの3点」。ページを開いて確認)
- 島村楽器 イオンモールむさし村山店「【音楽教室体験レポート】スタッフがドラム教室のレッスンを受けました!」(2026年1月10日公開。8ビートはハイハットを1小節に8回刻む、スネアは8つのうち3番目と7番目、テンポ♩=80〜90、手が安定してから足を加える。ページを開いて確認)
- 島村楽器 イオンモールKAGOSHIMA BAY店「初心者の方大歓迎!ドラムで8ビートにチャレンジ!」(2026年3月30日公開。8ビートは1小節にハイハットを8回刻む基本のパターン。ページを開いて確認)
- eMastered「基本的なドラム・ビート:究極のガイド」(バスドラムは1拍目と3拍目、スネアは2拍目と4拍目、ハイハットは8分音符。まずバスドラムとスネアだけで叩いてからハイハットを加える。ページを開いて確認。日本語版の本文に「2」が抜けた誤記と思われる箇所があり、文脈から2拍目と4拍目と読みました)
- サウンドハウス「ゼロから始めるドラム演奏 ビート編」(2023年5月1日。8ビートは両手足を使うので一打ずつゆっくり、組み合わせを変えた練習、オープンハイハットのビートはハイハットが4分音符になる。ページを開いて確認)
- サウンドハウス「Tossy先生直伝!ゼロから始めるドラム徹底攻略」(一定の速さで叩けるよう、メトロノームを使った練習をすすめる。ページを開いて確認)
- サウンドハウス「ドラムをダカドン!」(見出し「自宅で出来るドラム練習!?」。テンポ60・80・100で、遅いテンポから練習する方法。ページを開いて確認)
この記事について:上の資料は、この記事を書いた2026年10月10日に、ページやファイルを開いて内容を確かめました。ただし、ページの読み取りには要約の道具を使っているため、細かな言い回しは元のページと違うことがあります。引用するときは、元のページでもご確認ください。図1と表1・表2は、資料の説明をもとに筆者が作ったものです。「筆者の考え」と書いた部分は、資料ではなく、当サイトの考えです。運営者自身のドラムの体験談は、この記事には含めていません。