子供が勉強しなくてイライラ…疲れた親が手放していいこと
帰ってきてからずっと動画。声をかけても「あとでやる」。そんな姿を見るたびにイライラして、自分にも疲れてしまう。
そんな日が続いていませんか。勉強しない原因や全体の対策は「子どもが勉強しない…原因と、親ができること」にまとめています。
この記事は、勉強を教えている時ではなく「やらない姿を見てイライラする」場面に絞りました。
教えている時のイライラは「勉強を教えるとイライラする時の教え方」にあります。
この記事を書いた人:神奈川で共働き・子ども3人の親です。無料の九九ゲーム「九九ダッシュ」を作っています。わが家でも、子ども2人分のスマイルゼミが習慣にならず、解約しました。
イライラするのは、あなただけじゃない
文部科学省が令和6年度に行った保護者へのアンケートでは、子育てに悩みや不安が「いつもある」が18.8%、「ときどきある」が51.2%でした。
合わせて約7割の親が悩みや不安を感じています[1]。
いちばん下の子が小学1〜3年生の家庭では77.3%、小学4〜6年生では71.4%でした[1]。
勉強のことでイライラするのは、多くの家庭で起きていることです。
イライラしやすい「やらない姿」と言い換え
イライラは、だいたい同じ場面で起きます。場面がわかれば、先に言葉と手を用意できます。
表は筆者の整理で、言い換えの効果を確かめたものではありません。
| 場面 | つい言うこと | 言い換えの例 | 先に打てる手 |
|---|---|---|---|
| ゲームや動画が終わらない | 「いつまでやってるの!」 | 「あと何分で終わりにする?」 | 始める時刻を先に決めておく |
| 「あとでやる」と言って始めない | 「あとでって、いつ?」 | 「何時にする?決めたら声はかけないね」 | 本人が決めた時刻を紙に書いて貼る |
| 机に座っても手が動かない | 「早くやりなさい」 | 「どこで止まってる?」 | 最初の1問だけ一緒に読む |
| 寝る前に「宿題やってない」 | 「なんで今言うの!」 | 「今日はどこまでなら終わりそう?」 | 帰ってすぐ、やることだけ一緒に確かめる |
| 休みの日にずっとゴロゴロ | 「少しは勉強したら?」 | 「午前と午後、どっちで10分やる?」 | 休みの日は時間だけ決めて中身は任せる |
言い換えのコツは、責める言葉を「選ばせる質問」にすることです。声かけの考え方は「やる気を引き出す声かけ」にくわしくまとめました。
もう1つ大事なのは、右の列の「先に打てる手」です。
言い方を変えるより、イライラする場面そのものを減らすほうが、親の負担は軽くなります。
口出しが増えるほど、こじれやすい
ドイツの小学4年生を追った2023年の研究では、親の統制(指示や口出しで動かそうとする関わり)が、成績や宿題の取り組みとよくない関連を示しました。
成績が低いと口出しが増えるという、逆向きの関連もありました[3]。
「やらない → 言う → もっとやらない → もっと言う」という循環に入ると、親も子も疲れます。
イライラした時に言葉を足すより、一度引くほうが循環を止めやすいと考えています(筆者の考えです)。
疲れたときに手放していいこと
全部をがんばると続きません。次のものは、手放しても大きく困らないと筆者は考えています。
毎日そばで見張ること
時間と場所だけ約束して、あとは任せる日をつくって大丈夫です。
見守りと放置のちがいは「ほっとくのはアリ?見守ると放置のちがい」で整理しました。
宿題の手伝いと丸つけを全部やること
中学生を対象にした分析では、宿題を手伝うことは成績ともっとも強い負の関連を示しました[4]。
答えを渡して子どもに丸つけさせる、自動で丸つけされる教材を使う、といった手があります。
毎回の「勉強しなさい」
約束の時刻を決めたら、言うのはその時刻の1回だけにします。言う回数が減ると、親のイライラも減りやすくなります。
合わなくなった教材を続けさせること
わが家のスマイルゼミは、最初は子どもが楽しんでいました。けれど、ごほうびに飽きて習慣にならず、解約しました。
手続きは電話ですんなり終わりました。解約の流れは「スマイルゼミの解約」にまとめています。
手放さないほうがいいこと
- 寝る時間と朝ごはん:勉強より先に、生活の土台を守ります。
- 学校からの連絡:気になる連絡がある時は、担任の先生と話します。
- 子どもの話を聞く時間:勉強以外の話でかまいません。
- 親自身の休み:疲れている日は、勉強の話をしない日にしてもいいと考えています。
疲れが続くときは、ひとりで抱えない
子育ての疲れが強くなった状態は、研究では「親のバーンアウト」と呼ばれます。
42か国の親を調べた2021年の研究では、次の4つを中心の症状としていました[2]。
- 親であることに、心も体もすり減ったと感じる
- 前の自分のような親ではなくなったと感じる
- 親であることに喜びを感じにくい
- 子どもと気持ちの距離ができる
これは診断のためのものではありません。
こうした状態が続く時は、パートナーや家族のほか、自治体の子育て相談や学校のスクールカウンセラーに話してみてください。
先の文部科学省の調査でも、悩みがある親の12.0%は「特に解消策をとっていない」と答えていました[1]。
丸つけを手放したい方へ
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ただ、わが家では習慣にならずに解約しています。「親の手間を減らす道具」と割り切って、時間と場所の約束とセットで使うのがおすすめです。
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正直なところ
- 表1の言い換えは筆者の整理で、言えばやるようになると確かめたものではありません。
- 口出しや宿題の手伝いの研究は海外のもので、相関を調べたものです。
- イライラをゼロにする方法は、この記事にはありません。減らす工夫だけです。
次の一歩
今夜は、表1から「いちばんイライラする場面」を1つだけ選んでください。その場面の「先に打てる手」を、明日だけ試してみます。
原因から見直したい時は「子どもが勉強しない…原因と、親ができること」、自分を責めてしまう時は「勉強しないのは親のせい?」も読んでみてください。
よくある疑問
子供が勉強しなくてイライラするのは、私だけですか?
そんなことはありません。文部科学省の令和6年度の調査では、子育てに悩みや不安がある親は約7割でした。
いちばん下の子が小学1〜3年生の家庭では77.3%です。
イライラして怒鳴ってしまいました。
落ち着いてから「さっきは大きな声を出してごめんね」と伝えれば大丈夫です。
次からは、怒りやすい場面の「先に打てる手」を1つ用意しておくと、同じことが起きにくくなります。
疲れて、もう勉強を見たくありません。
見張ることや丸つけは、手放しても大きく困らないと考えています。時間と場所の約束だけ残して、あとは任せる日をつくってください。
疲れが強く続く時は、自治体の子育て相談などに話してみてください。
夫婦でイライラのポイントが違います。
「宿題の時刻は本人が決める」など、約束だけそろえておくと楽になります。
教え方が違う時の工夫は、勉強を教えるとイライラする時の記事にまとめました。
参考にした資料
- 文部科学省「令和6年度 家庭教育支援推進のための調査研究(家庭教育についての保護者へのアンケート調査)事業 報告書」(文部科学省の掲載PDFで、2024年7月の調査、設問⑫の子育ての悩みや不安「いつも」18.8%・「ときどき」51.2%、末子が小1〜3年で77.3%・小4〜6年で71.4%、設問⑭の「特に解消策をとっていない」12.0%を確認。2026年11月2日に閲覧)
- Roskam, Mikolajczak ほか「Parental burnout around the globe: A 42-country study」Affective Science, 2021(論文PDFで、42か国・17,409人の親、親のバーンアウトの4つの中心症状(消耗・以前の自分との対比・喜びの喪失・子どもとの気持ちの距離)を確認。2026年11月2日に閲覧)
- Benckwitz, Kohl, Roloff, Lüdtke, Guill「Reciprocal relationships between parental and scholastic homework assistance and students' academic functioning at elementary school」Frontiers in Psychology, 2023(出版社の本文ページの要旨で、ドイツの小学4年生335人、親の統制がよくない関連を示し成績と相互に関連したことを確認。2026年11月2日に閲覧)
- Hill, Tyson「Parental involvement in middle school: A meta-analytic assessment of the strategies that promote achievement」Developmental Psychology, 2009(論文PDFで、宿題の手伝いがもっとも強い負の関連だったことを確認。2026年11月2日に閲覧)
この記事について:調査と研究の内容は、2026年11月2日に資料を開いて確かめたものです。表1の場面と言い換えは筆者の整理です。スマイルゼミの体験は運営者の家庭のもので、子どもの具体的な様子は書いていません。