授業で使える九九ゲーム|1人1台端末・大画面・道具なしの進め方
九九の単元では、毎時間少しずつ唱えたり、答えたりする時間をとることが多いと思います。
同じ練習のくり返しにならないよう、ゲームを取り入れたい先生や、学童・地域の学習会で九九を見ている方に向けてまとめました。
1人1台端末で使うブラウザゲーム、大きな画面に映してクラス全員で答える方法、端末を使わない遊びの3つに分けて、手順と注意点を紹介します。
登録なし・声で覚える、無料の九九ゲーム
会員登録なし・無料。問題と答えを声で読み上げるので、目と耳の両方で九九を覚えられます。苦手な九九は自動で多めに出ます。
無料の九九ゲーム「九九ダッシュ」であそぶ授業のどこで九九ゲームを使うか
九九ゲームは、新しい段の意味を学ぶ場面より、覚えた九九を確かめたり、すぐ答えられるようにしたりする場面に向いています。
兵庫県の教育情報サイトに載っている2年生の実践例では、毎時間のはじめにフラッシュカードで九九を唱え、習熟のために一人一台のパソコンでゲームに取り組む流れが紹介されていました[4]。
| 場面 | ねらい | 向いているゲーム |
|---|---|---|
| 授業のはじめ(3〜5分) | 前の時間の段を思い出す | 九九リレー、大画面で「きいてこたえる」 |
| 習熟の時間(10分) | 一人ひとりが自分のペースで答える | 1人1台端末で九九ダッシュ |
| 単元のまとめ・すきま時間 | 楽しく全部の段をふり返る | 九九ビンゴ、指九九じゃんけん |
学校では5・2・3・4の段、そのあと6・7・8・9・1の段の順に進むことが多いので(九九を覚える順番)、ゲームも習った段の範囲で使うと混乱しません。
1人1台端末で九九ダッシュを使う流れ
文部科学省のGIGAスクール構想は、児童生徒1人1台の端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体で整える取り組みです[1]。
文部科学省の調査では、2021年(令和3年)7月末時点で、全国1,812の自治体等のうち1,742(96.1%)が「整備済み」と答えていました[2]。
その後の調査も文部科学省のページで公表されています[3]。
九九ダッシュは、ブラウザで開くだけで遊べる無料の九九ゲームです。
ログインも名前の入力もいらないので、Chromebook・iPad・Windowsのどの端末でも、URLを開けば始められます。
記録は端末の中だけに残り、運営者が児童の情報を受け取ることはありません。
手順
- URLを配る:学校で使っている方法(学習支援ソフトの課題、QRコードなど)で、下のツールで作ったURLを配る
- 段を選んで始める:段を指定したURLなら、その段が光った「どの段にする?」の画面が開く。タップするとスタート
- 15問を1〜2回:「だんをえらぶ」は1つの段を15問(最初の9問は順番どおり、残り6問はバラバラ)。1回は数分で終わる
- 仕上げにタイムアタック:60秒で何問答えられたかを、ノートやワークシートに書く
- ふり返り:まちがえた九九を1つ書く。家では「にがてたいじ」で練習できることを伝える
端末で開くと、その段が光った「どの段にする?」の画面が出ます。
いきなり音が鳴らないよう、子どもがタップしてから始まる作りにしています。
大きな画面で「きいてこたえる」をクラス全員で
電子黒板やテレビに九九ダッシュを映し、「きいてこたえる」を選ぶと、式を見せずに「しちは」のように声だけで出題します。
クラス全員で声をそろえて答えたり、ミニホワイトボードに答えを書いて一斉に見せたりできます。
- 先生が端末を操作し、子どもは答えを言うだけなので、端末の操作に慣れていない時期でも使える
- 耳だけで答えるので、九九を「唱えて覚えているか」が確かめやすい
- 答えると「しちはごじゅうろく」と唱え直すので、そのあとに続けて全員で唱えると、正しい読み方の確認になる
段を選ぶ画面で「おまかせ」を選ぶと、いろいろな段がまざって出ます。
習っていない段が出ないよう、単元の途中では段を指定して使いましょう。九九の読み方は九九の読み方の一覧で、声つきで確かめられます。
道具なし・紙だけでできるクラスの九九ゲーム
端末を使わない遊びも、授業のはじめやすきま時間に使えます。どれも一般に行われている遊びを、クラス向けにまとめたものです。
| 遊び | 準備 | 人数 | やり方 |
|---|---|---|---|
| 九九リレー | なし | 列・班ごと | 1人1つずつ順番に唱え、つまったら列の全員で言い直す。逆から唱えるのもよい |
| 指九九じゃんけん | なし | 2人1組 | 「せーの」で2人が片手の指を1〜5本出し、2人の本数をかけた答えを先に言ったほうが勝ち(両手を使えば9まで) |
| 九九ビンゴ | カードの印刷 | クラス全員 | 読み上げた九九の答えに丸をつける。そろったら、その列の九九を言う |
| 九九カルタ | 九九カード | 班(3〜4人) | 読み手が答えを言い、その答えになる式のカードを取る |
九九ビンゴのカードは「九九ビンゴの作り方と遊び方」で、段と枚数を選んで人数分を印刷できます。
30人で3×3・全部の段なら、7問前後で最初のビンゴが出る目安も載せています。
カルタなどカードを使う遊びのルールは「九九カードの遊び方」、家庭向けの遊びは「九九を楽しく覚えるゲーム10選」にまとめています。
使う前に知っておきたいこと
先生が結果を集める機能はない
九九ダッシュには、クラスの結果を一覧で見る機能はありません。記録はそれぞれの端末の中だけに残ります。
結果を見たいときは、タイムアタックの点数や、まちがえた九九をワークシートに書いてもらう形にします。
共有の端末を使う場合は、前に使った子の記録が残っていることがあります。
音の扱いを先に決める
30人が同時に音を出すと、声が聞き取りにくくなります。
ホーム画面の「よみあげ」「おんがく・こうかおん」をオフにすると、音なしで遊べます。
ただし「きいてこたえる」は声だけで出題するので、イヤホンを使うか、大画面で全員で聞く使い方が向いています。
学校のネットワークで開けないことがある
端末やネットワークの設定によっては、外部のサイトが開けないことがあります。
授業の前に先生の端末で開けるか確かめ、開けない場合は、端末を管理している担当の方に相談してください。
速さを競う遊びは、苦手な子が目立ちやすい
早押しや、人前で1人ずつ答える形は、九九があやふやな子にとってつらい時間になることがあります。
全員で声をそろえる、ペアで出し合う、自分の前回の記録と比べる、といった形を中心にすると、どの子も参加しやすくなります。
苦手になりやすい段や、つまずきへの対応は苦手になりやすい段の記事にまとめています。
よくある疑問
九九ダッシュは学校で使ってもいいですか?
はい、無料で使えます。ログインや名前の入力はいらず、児童の情報を運営者が受け取ることもありません。
使う前に、学校や自治体の端末のルールで、外部のサイトを使ってよいかを確かめてください。
児童の結果を先生がまとめて見ることはできますか?
できません。記録はそれぞれの端末の中だけに残ります。
結果を集めたいときは、タイムアタックの点数をノートやワークシートに書いてもらう方法がおすすめです。
教室で音が出るとうるさくなりませんか?
ホーム画面の「よみあげ」「おんがく・こうかおん」をオフにすると、音なしで遊べます。
ただし「きいてこたえる」は声だけで出題するので、イヤホンを使うか、大きな画面に映してクラス全員で聞く使い方が向いています。
参考にした資料
- 文部科学省「GIGAスクール構想の加速による学びの保障」(令和2年4月16日。1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークの整備、緊急時にも学びを保障する環境づくりという目的を確認)
- 文部科学省「GIGAスクール構想に関する各種調査の結果(概要)」(令和3年8月。端末の利活用状況は令和3年7月末時点の速報値。全自治体等1,812のうち1,742(96.1%)が「整備済み」。「整備完了」は児童生徒の手元に端末が渡り、学校で使える状態を指すと定義)
- 文部科学省「端末の整備状況の調査結果のページ」(令和4年度末時点の調査結果と、令和5年度末のフォローアップが公表されていることを確認。数値はPDFのため本文では扱っていません)
- 兵庫県の教育情報サイト「かけ算九九の学習(小学校2年)の実践例」(朝来市立山口小学校の実践。毎時間のはじめのフラッシュカードによる九九唱えと、習熟のための一人一台のパソコンでのゲームを確認。掲載年はPDFからは確認していません)
この記事について:2026年10月14日時点で資料を確認しました。道具なしの遊びは、一般に行われている遊び方を運営者がまとめたものです。学校での使い方は、各学校・自治体のルールに従ってください。