PRこの記事の末尾に、教材の紹介(広告)を含みます。

学習ゲームと上手に付き合う|時間とルールの決め方

公開:2026-10-02 最終更新:2026-10-03 運営:九九ダッシュ運営

「ゲームばかりして…」と心配になる一方で、「勉強になるゲームなら」と迷う保護者の方もいると思います。このページでは、小学生がネットやゲームをどのくらい使っているのかを示す国の調査、WHO(世界保健機関)がゲームの問題をどう位置づけているか、学習ゲームの研究でわかっていることを、実際に資料を開いて確かめた範囲でまとめました。そのうえで、家庭で試しやすい時間とルールの決め方を紹介します。ゲームを「よい」「悪い」と決めるものではありません。

小学生は、ネットやゲームをどう使っているか

こども家庭庁の「青少年のインターネット利用環境実態調査」は、満10歳から17歳の青少年と、その保護者などを対象にした全国調査です。令和7年度は、令和7年11月1日から12月18日にかけて行われ、青少年調査では3,060人から回答がありました[1]。令和8年2月に出た「速報」の値なので、あとで確定値に変わる可能性があります。この調査の「小学生」は、満10歳以上の小学生のことで、もっと小さな学年は別の調査(低年齢層)になっています[1]。

この調査でいう「インターネット利用」には、スマートフォンのほか、学校から配られた端末、ゲーム機、テレビなど、複数の機器でのネット利用がふくまれます[1]。小学生がネットでしていることは、動画を見るが88.8%、ゲームをするが85.5%、勉強・習い事をするが58.3%でした[1](図1)。動画やゲームだけでなく、勉強にもネットを使っている子が半分以上いることがわかります。

小学生(満10歳以上)がインターネットでしていること(令和7年度・速報)小学生で、動画を見るが88.8%、ゲームをするが85.5%、勉強・習い事をするが58.3%です。小学生(満10歳以上)がインターネットでしていること(令和7年度・速報)0%25%50%75%100%動画を見る88.8%ゲームをする85.5%勉強・習い事をする58.3%
図1 小学生(満10歳以上)がインターネットでしていることの割合。数字は、こども家庭庁「令和7年度青少年のインターネット利用環境実態調査(速報)」の値を写したもので、棒の長さは数字に比例させています(0から100%の目盛り)。出典:[1]

利用時間は、平日1日あたり、利用機器の合計で、小学生の平均が約3時間54分でした。3時間以上使う小学生は61.7%、5時間以上は28.8%です[1]。前年度(令和6年度)の調査では、小学生の平均が約3時間44分でした[2]。ただし、調査の対象や方法が同じとは限らないため、増えたと言い切ることはしません。

ここで気をつけたいのは、この時間は動画・ゲーム・勉強・連絡などを合わせた時間で、ゲームだけの時間ではないことです。調査には目的別の集計もありますが、この記事では、小学生のゲームだけの時間は確認できていません。

家庭のルールは、どのくらい決められているか

同じ調査で、ネット利用のルールを決めていると答えた小学生は83.8%でした。中学生は74.5%、高校生は44.3%で、学年が上がるほど低くなっています[1]。スマートフォンについて、保護者が「利用時間・場所を決める」取組をしている割合は、小学生の保護者で61.9%、中学生で49.4%、高校生で16.7%でした[1](図2)。フィルタリングを使っているのは、小学生の保護者で53.6%、中学生で58.3%、高校生で37.8%でした[1]。

家庭のルールの設定状況(令和7年度・速報)「ネット利用のルールを決めている」は小学生83.8%、中学生74.5%、高校生44.3%。スマホの「利用時間・場所を決める」と答えた保護者は、小学生61.9%、中学生49.4%、高校生16.7%です。家庭のルールの設定状況(令和7年度・速報)0%25%50%75%100%ネット利用のルールを決めている小学生83.8%中学生74.5%高校生44.3%スマホの「利用時間・場所を決める」(保護者の取組)小学生61.9%中学生49.4%高校生16.7%
図2 ルールを決めている割合(学校段階別)。数字は同じ調査の値を写したものです。小学生・中学生・高校生の色の違いは、左の文字ラベルでも区別できます。出典:[1]

この数字は「多くの家庭が、何らかのルールを決めている」という実態を示すもので、「このルールが正解」という基準ではありません。ルールの中身や、守れているかどうかは、この記事では確認していません。

WHOは、ゲームの問題をどう位置づけているか

WHOは、国際疾病分類の第11版(ICD-11)に「ゲーム行動症(gaming disorder)」を入れています。ゲームのしかたのパターンで、特徴は、(1)ゲームのコントロールがむずかしくなる、(2)ほかの生活の関心や日課より、ゲームが優先される、(3)困ったことが起きても、ゲームを続ける、または増えていく、の3つです[4]。診断されるには、個人・家族・社会・学校などの生活に重大な支障が出るほどで、通常は少なくとも12か月続いていることが必要とされています[4]。日本小児心身医学会のページでも、同じ3つの特徴と、12か月の目安が説明されています[5]。

WHOのICD-11が示す、ゲーム行動症の考え方ゲームのしかたの特徴として、ゲームのコントロールがむずかしい、ほかの生活よりゲームが優先される、困ったことが起きても続ける、の3つがあげられています。診断には、通常は少なくとも12か月続き、生活に重大な支障があることが必要とされます。WHOは、ゲーム行動症はゲームをする人の小さな割合にとどまるとする研究があると説明しています。WHOがあげている、ゲームのしかたの3つの特徴1ゲームのコントロールがむずかしい2ほかの生活よりゲームが優先される3困ったことが起きても続ける(増えていく)そのうえで、診断にはこの条件が必要とされます・ゲームのしかたが、通常は少なくとも12か月続いている・個人・家族・学校・社会などの生活に、重大な支障が出ているWHOの説明:ゲーム行動症は、ゲームをする人のうち小さな割合にとどまる、とする研究がある
図3 WHOのICD-11における「ゲーム行動症」の考え方のまとめ。特徴の3つ、12か月、重大な支障、「小さな割合」は、WHOの解説に書かれた内容を言い換えたものです[4]。日本小児心身医学会のページにも同じ3つの特徴と12か月の目安があります[5]。当てはまるかどうかの判断は、医師などの専門家が行うものです。

WHOの解説には、研究によると、ゲーム行動症は、デジタルゲームやビデオゲームをする人の「小さな割合」にしか当てはまらない、とも書かれています[4]。同時に、ゲームをする人は、ゲームに使う時間、とくにほかの日常の活動をしなくなるほどの時間に気をつけるように、とも述べています[4]。見るポイントは「ゲームをしていること」ではなく、「ほかの生活にどんな影響が出ているか」だと読めます。

この記事は診断のためのものではありません。当てはまるかどうか心配なときは、このページの下の相談先も見てください。

時間の「目安」は、公的にどう決まっているか

日本小児科医会の「子どもとメディア」対策委員会は、2004年2月の提言で、テレビ・ビデオ・ゲームなどすべてのメディアに触れる総時間を1日2時間までを目安に、テレビゲームは1日30分までを目安と考える、としました[3]。ただ、これは20年以上前の提言で、テレビやビデオなどを中心に書かれたものです。学習ゲームについて決めたものではありません。

今回確認した範囲では、小学生の学習ゲームの1日の上限を定めた、新しい公的な数字は見つけられませんでした。「何分までなら大丈夫」とは言えないため、時間は、お子さんの睡眠や宿題、外遊びなどの生活全体を見ながら、各家庭で決めることになります。

学習ゲームで、学びは進むのか

学習を目的にしたゲーム(serious games)の効果は、研究でも調べられています。Woutersらの2013年のメタ分析(過去の研究をまとめて分析する方法)は、学習について調べた77件の研究(参加者5,547人)を集めました。その結果、学習を目的にしたゲームは、従来の授業のやり方より、学習の面で効果が大きく(効果の大きさd=0.29)、あとまで覚えている度合いでも大きい(d=0.36)と報告されています[6]。一方で、「やる気を高める」点では、ほかの方法より高いとは言えない結果でした[6]。

また、ゲームに加えて別の指導もあるとき、何回かに分けて遊ぶとき、グループで遊ぶときに、より効果が出る傾向があったとされています[6]。つまり、「ゲームだから学べる」のではなく、使い方しだいで差が出る、という読み方ができます。

注意したいのは、この研究は小学生に限ったものではなく、いろいろな年齢や内容のゲームをまとめたものだということです。私たちは論文の要旨を確認しただけで、本文は開けていません。九九のような反復練習のゲームにそのまま当てはまると言えるかどうかは、今回の確認ではわかりませんでした。

家庭でできる工夫

ここからは家庭で試しやすい工夫です。上で紹介した調査や研究は、「こうすればよい」というルールを確かめたものではありません。以下は、研究で効果が確かめられたものというより、一般にいわれる工夫です。お子さんによって、合う方法はちがいます。

ゲームのルールを決める5つのステップの例1 いっしょに話して決める、2 時間と順番を決める、3 タイマーを使う、4 終わったら声をかける、5 ときどき見直す、の5つの手順を左から右に並べた図です。これは一般にいわれる工夫の例で、効果を確かめた研究にもとづくものではありません。ルールを決めて続ける、5つのステップの例1いっしょに話して決める子どもの意見も聞く2時間と順番を決める宿題のあとなど3タイマーを使う終わりが目に見える4終わったら声をかけるできたことを言葉にする5ときどき見直す成長や様子に合わせる
図4 ゲームのルールを決めて続ける手順の例。これは、家庭で試しやすいと一般にいわれる工夫を並べた図で、効果を確かめた研究にもとづくものではありません。

工夫1:始める前に、終わりを決める

始める前に、終わる時間や回数を、お子さんと一緒に決めておきます。タイマーを使うと、保護者が毎回注意しなくても、終わりが目に見えます。「あと5分」と予告しておくと、切り替えやすいご家庭もあります。

工夫2:順番や場所を決める

「宿題が終わってから」「夕ごはんの前まで」など、順番を決めておく方法です。調査では、小学生の保護者の約6割(61.9%)が、スマートフォンの利用時間や場所を決めていました[1]。場所を決める、というのは、たとえば居間で使う、寝る部屋には持ち込まない、などの工夫です。

工夫3:ときどき、一緒に遊んでみる

保護者の方が一緒に遊ぶと、お子さんがどこでつまずいているかが、自然とわかります。「この九九、難しいんだね」と気づけるのは、親子で遊んだ時間のおまけです。

工夫4:遊びの中の「学び」を言葉にする

終わったあとに「今日は7の段が速くなったね」と、できるようになったことを言葉にして伝えてみましょう。お子さんが、自分の成長を意識するきっかけになります。

工夫5:3つのサインを見る

①終わりを告げたときに、切り替えられているか。②ゲームのあとに、疲れや不機嫌が強く出ていないか。③ゲームの中で学んだことを、ほかの場面で口にしているか。この3つは、公的な基準ではなく、様子を見るための目安です。大丈夫そうなら、いまの使い方を続けて、ようすが変わったら見直してみましょう。

困ったときの相談先

生活リズムが大きく乱れる、ゲームの話になると強く反発する、などで悩んだときは、一人で抱えず、まず学校の先生やかかりつけの小児科に相談してみてください。お住まいの地域の保健所や精神保健福祉センターも、こころの健康についての相談を受けています[7](ゲームに限った窓口かどうかは、各窓口に確認してください)。

よくある疑問

学習ゲームなら、長く遊んでも大丈夫ですか?

断定はできません。学習ゲームの効果を調べた研究はありますが[6]、「長く遊んでもよい」という結論ではありません。時間の長さより、睡眠や宿題、体を動かす時間などに影響が出ていないかを見ることが、WHOの考え方に近いと読めます[4]。目や姿勢の目安はタブレット学習の記事も参考にしてください。

1日に何分までがよいですか?

小学生の学習ゲームについて、公的に決められた1日の上限は、今回確認できませんでした。日本小児科医会の2004年の提言には「テレビゲームは1日30分まで」という目安がありますが、20年以上前のもので、学習ゲームを想定したものではありません[3]。

ゲーム障害になりませんか?

WHOの解説では、ゲーム行動症は、ゲームをする人の小さな割合に当てはまるとされ、診断には通常12か月以上続くことが必要とされています[4]。心配になったときは、上の相談先を使ってください。

終わりの時間を守れないときは?

叱る前に、ルールがお子さんにとって守れる内容か、見直してみる方法があります。あらかじめ「守れなかったらどうするか」を一緒に話しておくご家庭もあります。これは一般にいわれる工夫で、効果を確かめた研究は確認していません。

よその家は、どうしていますか?

調査では、小学生の83.8%が「ネット利用のルールを決めている」と答えました[1]。ただ、ルールの中身までは確認していません。ご家庭の事情に合わせて決めてください。

参考にした資料

  1. こども家庭庁「令和7年度青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)」(令和8年2月)(調査対象(満10歳〜17歳)、調査期間(令和7年11月1日〜12月18日)、青少年調査の回収数3,060人、小学生(満10歳以上)がネットでしていること(動画88.8%・ゲーム85.5%・勉強や習い事58.3%)、平日1日あたり・利用機器の合計の利用時間(小学生の平均約3時間54分、3時間以上61.7%、5時間以上28.8%)、ルール設定の割合、保護者の取組(利用時間・場所を決める、フィルタリング)の数字を確認。)
  2. こども家庭庁「令和6年度青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)」(令和7年3月)(小学生(満10歳以上)の平均利用時間が約3時間44分であることを確認。)
  3. 日本小児科医会「子どもとメディア」対策委員会「「子どもとメディア」の問題に対する提言」(2004年2月6日)(メディアに触れる総時間は1日2時間までを目安、テレビゲームは1日30分までを目安、という記載を確認。)
  4. WHO「Addictive behaviours: Gaming disorder」(2020年10月22日)(ICD-11でのゲーム行動症の定義、通常は少なくとも12か月、重大な支障、「ゲームをする人の小さな割合にあてはまる」という研究の記述、ゲームに使う時間への注意の呼びかけを確認。)
  5. 日本小児心身医学会「メディアおよびゲーム依存」(3つの特徴と12か月の目安が説明されていることを確認。更新日はページに明記なし。)
  6. Wouters, van Nimwegen, van Oostendorp, van der Spek「A meta-analysis of the cognitive and motivational effects of serious games」Journal of Educational Psychology(2013年)。アイントホーフェン工科大学の研究成果ページ(要旨を確認:学習77件・参加者5,547人、学習d=0.29、保持d=0.36、やる気は差なし、追加の指導・複数回・グループで効果が出やすいという記載。論文の本文は開けていない。)
  7. 厚生労働省「依存症対策」(保健所・精神保健福祉センター・依存症相談拠点が、こころの健康や依存症に関する相談に対応していることを確認。ゲームに限った窓口かどうかは、このページでは確認できていない。)

この記事について:上の資料を実際に開いて、書かれている内容と数字を確かめて書きました。図1・図2の数字は、こども家庭庁の速報の値をそのまま写したもので、自分で計算した数字はありません。
確認できていないことは次のとおりです。(1)小学生のゲームだけの利用時間(調査の時間は、動画・勉強などを合わせた時間)。(2)満10歳未満の小学生のゲーム利用(この記事で使った調査は満10歳以上)。(3)ルールを決めていると答えた人が、子ども本人か保護者かの細かな区別と、ルールの中身。(4)小学生の学習ゲームの効果を調べた研究。Woutersらの研究は、要旨だけを確認し、論文の本文は開けていません。(5)小学生の学習ゲームの1日の上限時間を定めた公的な数字。(6)令和7年度の調査は速報で、確定値ではありません。PDFの表は、数字を複数回読み直して照らし合わせましたが、お気づきの点があればお知らせください。
この記事は、運営者が一般的な情報をもとにまとめたもので、医療・教育の専門家による監修は受けていません。診断や治療の助言ではありません。お子さんのようすが気になるときは、学校の先生や医療機関、地域の相談窓口にご相談ください。内容に誤りがあれば、お知らせください。

九九の「できた!」を、ほかの教科にも

お子さまが楽しく続けられる教材を探している方へ。九九ダッシュ運営がまとめた紹介ページです。

保護者向けの紹介ページを見る(PR)

あわせて読みたい

読みもの一覧へ