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タブレット学習のデメリットは?論文と公的資料で調べた9つと対策

公開:2026-10-22 最終更新:2026-10-22 運営:九九ダッシュ運営

結論:弱点の多くは「使い方」で小さくできる

  • 100件以上の実験研究のレビューでは、端末を持たせるだけでは学力は上がりにくい結果でした[1]。
  • 目・睡眠・姿勢は、文部科学省が30cm・30分に1回・寝る1時間前の目安を出しています[3]。
  • ゲームや動画に流れやすいのも弱点です。小学生(10歳以上)のネット利用は平日1日平均約3時間54分でした[6]。
  • 長い文章を読むのは紙がやや有利、という研究のまとめもあります[9]。

9つのデメリットと対策の表へ わが家で起きそうかチェックへ

この記事を書いた人:神奈川で共働き・子ども3人の親です。

スマイルゼミを子ども2人分使っていましたが、子どもがやらなくなって解約しました。

その経験から、タブレット学習の弱点を資料で調べ直しました。

タブレット学習の「効果」や「効く使い方」は、タブレット学習の効果は?研究でわかった「効く使い方」と「効かない使い方」でまとめています。

このページはデメリットと、その対策にしぼりました。

先に知っておきたい「研究の強さ」の見分け方

「タブレット学習 デメリット 論文」で調べると、いろいろな研究が出てきます。

読むときは、その研究が原因と結果(因果)まで調べたものか、関係がある(相関)ことを見ただけかを分けて考えます。

そうすると、振り回されにくくなります。

表1 この記事で使う根拠の種類(運営者が整理したもの)
ラベルどんな根拠か言えること
実験くじ引きのように分けて比べた実験や、そのまとめ「こうすると、こうなる」に近いことが言える
相関調査データで、2つのことの関係を見たもの「一緒に起きやすい」まで。原因とは限らない
目安文部科学省や医会などが出している注意点専門家がすすめる使い方。効果を数字で示したものではない
体験運営者の家で起きたこと1家庭の例。どの家でも同じとは限らない

タブレット学習のデメリット9つと対策の表

小学生の家庭学習で起きやすいものを9つにまとめました。根拠のラベルは表1のとおりです。くわしい説明は表のあとに続きます。

表2 タブレット学習のデメリットと対策(2026年10月22日に資料を確認)
デメリット根拠対策
1. 持たせるだけでは成績が上がりにくい実験 100件以上の実験研究のレビュー[1]やる時間と量を決め、宿題のように組み込む
2. 答えを見て進め、解き切らない相関 中学2年生約300人の調査[2]まちがいは、その日のうちに正解まで解き直す
3. 飽きて、やらなくなる体験+実験[1]「いつ・何分」を決める。大人がときどき結果を見る
4. 目が疲れる・視力が心配目安 文部科学省・日本眼科医会[3][4]30cm以上離す。30分に1回、20秒以上遠くを見る
5. 寝つきが悪くなる・睡眠が削られる目安[3][5]寝る1時間前には終える。夕方までにやる
6. ゲーム・動画に流れて画面時間がふくらむ相関 国の調査[6][7]学習中は学習アプリだけにする。リビングで使う
7. 長い文章の読解は紙がやや有利実験 54件の研究のメタ分析[9]説明文・文章題・漢字や筆算は紙でもやる
8. 姿勢がくずれ、外遊びが減る目安[3][4]机と椅子の高さを合わせる。外で過ごす時間をとる
9. 専用タブレットの費用と縛り体験+公式の料金[11]やめるときのタブレット代を契約前に確かめる

わが家で起きそう?デメリット別チェック

9つそれぞれに「起きそう」「少し心配」「大丈夫」を選ぶと、気をつけたい順に対策が出ます。端末の中だけで動き、どこにも送りません。

学力についてのデメリット(1〜3)

1. 持たせるだけでは、成績は上がりにくい

Escuetaらの2017年のレビューは、教育でのテクノロジーを調べた100件以上の実験研究をまとめたものです[1]。

くじ引きのように分けて比べる方法(ランダム化比較試験など)の研究が中心で、因果に近いことが言えるタイプです。

先進国と途上国の研究がまじっていて、日本の小学生の家庭学習だけを調べたものではありません。

それでも「家にタブレットがあれば安心」とは言えない、という点は押さえておきたいところです。

2. 答えを見て進め、解き切らない

ベネッセ教育総合研究所は、中学2年生約300人がタブレット教材を約10か月使った記録と学力調査を分析しました[2]。

はじめの学力をそろえて比べても、まちがえた問題を最後に正解まで解いた数が、あとの学力と結びついていました。

裏を返すと、答えを見てすぐ次へ進む使い方では、この結びつきが生まれにくいと考えられます。

ただし、くじ引きで比べた実験ではなく相関の分析です。対象は中学生で、教材を作っている会社のグループの調査でもあります。

3. 飽きて、やらなくなる

わが家がまさにこれでした。スマイルゼミを子ども2人分使っていましたが、子どもがやらなくなり、解約しました。

解約は電話ですんなり進み、タブレット代の残りを支払って終わりました。

くわしくはスマイルゼミの解約、うちは2人分やめましたに書いています。

これは1家庭の例です。ただ、上のレビューでも効果が大きかったのは「授業の中」や「決まった宿題」として使ったときでした[1]。

やるかどうかを子ども任せにすると、続きにくいのは自然なことかもしれません。

やめたあとの家庭学習は、スマイルゼミをやめた後、家の勉強どうする?で整理しました。

体と生活についてのデメリット(4・5・8)

ここは医療に関わるので、言い切れることは多くありません。

今回確認した資料の範囲では、タブレット学習が原因で視力が下がると断定できるデータはありませんでした。

そのうえで、公的な目安を紹介します。

4. 目が疲れる・視力が心配

文部科学省の「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック」(令和4年3月改訂版)には、次のことが書かれています[3]。

日本眼科医会の2023年の報道向け資料も、30cm以上・30分に1回20秒以上を挙げています[4]。

同じ資料では、屋内での長時間の動画視聴・ネットゲーム・SNSと、裸眼視力1.0未満の子の増加を結びつけて説明しています。

これは学習用のタブレットだけを調べたものではありません。見えにくそうにしているときは、早めに眼科で相談してください。

5. 寝つきが悪くなる・睡眠が削られる

同じガイドブックは、寝る直前まで使うと寝つきが悪くなる恐れがあるとして、就寝1時間前からの使用を控えるようすすめています[3]。

厚生労働省の資料では、小学生の睡眠時間は9〜12時間を参考にするとされています[5]。

共働きだと、学習が夕食後や寝る前にずれこみがちです。

タブレット学習は「夕方までにやるもの」と決めておくと、この弱点はかなり避けやすくなります。

8. 姿勢がくずれ、外遊びが減る

ガイドブックは、姿勢が悪いと画面が見えにくくなるので、まず姿勢を整えるよう書いています。机と椅子の高さを合わせることも挙げています[3]。

また、日本眼科医会の資料は毎日外で120分以上の活動を呼びかけ、1日約2時間程度の屋外活動に近視を抑える効果がみられるとしています[4]。

タブレット学習の時間が、そのまま外遊びの時間を削っていないかは、一度見ておく価値があります。

気になる症状があるときは、小児科や眼科で相談してください。

使い方についてのデメリット(6・7・9)

6. ゲーム・動画に流れて、画面時間がふくらむ

こども家庭庁の令和7年度の調査では、小学生(10歳以上)のインターネット利用は平日1日あたり平均約3時間54分でした[6]。

利用内容は、動画視聴が88.8%・ゲームが85.5%・勉強や習い事が58.3%です[6]。

タブレットで勉強するつもりでも、同じ画面に楽しいものが並んでいるのは確かです。

内閣府の資料では、全国学力調査とPISA2022をもとに、余暇のSNSやデジタルゲームの時間が一定時間を超えると得点が低下する傾向が示されています[7][8]。

これは相関で、ゲームが原因と決まったわけではありません。それでも、学習の時間と遊びの時間を分けておく理由にはなります。

日本小児科医会の2004年の提言には、メディアに触れる総時間は1日2時間までを目安とし、テレビゲームは1日30分までを目安とする項目があります[10]。

20年以上前の、テレビやゲームを念頭にした提言なので、学習用タブレットにそのまま当てはめるものではありません。

ゲームとの付き合い方は学習ゲームと上手に付き合うにまとめています。

7. 長い文章の読解は、紙がやや有利

Delgadoらの2018年のメタ分析は、紙とデジタル機器で読んだときの理解を比べた54件の研究(参加者171,055人)をまとめたものです[9]。

紙のほうがやや理解が高く、差は時間制限があるときと、説明文などの情報を伝える文章で大きくなりました。

物語文だけの研究では差が見られず、新しい研究ほど紙の有利さが大きい傾向でした[9]。

これは「読む」場面の研究で、計算練習のような場面の比較ではありません。対象の年齢の内訳も、要旨では確認できていません。

文章題や説明文は紙でも読む、という使い分けで十分に対策できます。

九九のようなくり返し練習の向き不向きは、九九のタブレット学習は効く?で比べています。

9. 専用タブレットの費用と縛り

専用タブレットを使う教材は、早くやめるとタブレット代がかかることがあります。

たとえばスマイルゼミの公式の料金ページでは、6か月未満で退会すると専用タブレット代が税込32,802円かかるとされています(6か月以上12か月未満は税込7,678円、2026年10月22日確認)[11]。

わが家も、解約のときにタブレット代の残りを支払いました。

やめどきの考え方はスマイルゼミの解約金はいくら?で、教材の比べ方は小学生の通信教育の選び方で整理しています。

デメリットも知ったうえで、教材を比べたい方へ

わが家が使ったことがあるのはスマイルゼミだけです。ほかの教材は、公式サイトで調べた内容です(2026年10月22日時点)。

  • スマイルゼミ:専用タブレットで学ぶ通信教育です。資料請求は無料です。6か月未満で退会すると、上のとおりタブレット代がかかります。
  • デキタス:専用の機器は不要で、手持ちのパソコン・タブレット・スマートフォンで使えます。小学生コースは月額3,960円(税込)、初期登録料990円(税込)です[12]。無料体験の条件は公式で確認してください。

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メリットとデメリットを並べると

デメリットばかり並べましたが、メリットもあります。

レベルに合わせて出題が変わり、すぐ答え合わせできる学習ソフトは、特に算数・数学で効果が見られやすいとされています[1]。

表3 タブレット学習のメリットとデメリット(上の資料から運営者がまとめたもの)
メリットデメリット
すぐ丸つけされ、まちがいがすぐ分かる答えを見て進めると身につきにくい
レベルに合わせて問題が変わる教材がある持たせるだけでは成績は上がりにくい
九九や計算のくり返しと相性がよい長い文章の読解は紙がやや有利
親が丸つけする手間が減る目・睡眠・姿勢に気をつける必要がある
手持ちの端末で始められる教材もある専用タブレットは早くやめると費用がかかることがある

勉強アプリと有料のタブレット教材の違いは、子ども向け勉強アプリ・タブレットの選び方で比べています。

正直なところ:この記事の限界

よくある疑問

タブレット学習はよくない理由は?

タブレットそのものが悪いというより、使い方で弱点が出やすいからです。

研究では、端末を持たせるだけでは学力は上がりにくく、まちがいを解き直さない使い方では成果と結びつきにくいことがわかっています[1][2]。

目の疲れや寝る前の使用、ゲームや動画に流れることにも気をつけたいところです。

タブレット学習のデメリットを示す論文はありますか?

あります。

100件以上の実験研究をまとめたレビュー(Escuetaら、2017年)では、端末を配るだけでは学習成果はおおむね改善しませんでした[1]。

紙と画面の読解を比べた54件の研究のメタ分析(Delgadoら、2018年)では、紙のほうがやや理解が高い結果でした[9]。

どちらも小学生の家庭学習だけを調べたものではありません。

小学生のタブレット学習は、1日何分までですか?

今回確認した公的な資料では、小学生のタブレット学習の1日の上限は決められていませんでした。

文部科学省のガイドブックにあるのは、30分に1回は20秒以上遠くを見ることと、寝る1時間前は使用を控えることです[3]。

学校の端末やゲーム・動画も含めた1日の合計で考えると安心です。

タブレット学習のメリットは何ですか?

レベルに合わせて出題が変わり、すぐ答え合わせできる点です。

100件以上の実験研究のレビューでは、こうした学習ソフトは特に算数・数学で効果が見られやすいとされています[1]。

メリットと効く使い方は、タブレット学習の効果の記事でくわしくまとめました。

次の一歩

上のチェックで「起きそう」が出たものから、1つだけ対策を試してみてください。

デメリットを知ったうえで「どう使えば効くのか」を知りたい方は、タブレット学習の効果と「効く使い方」へどうぞ。

九九の練習なら、すぐ答え合わせできる無料ゲーム九九ダッシュも使えます。

参考にした資料

  1. Escueta, Quan, Nickow, Oreopoulos「Education Technology: An Evidence-Based Review」NBER Working Paper 23744(2017年)と、J-PALの紹介記事「Exploring the promise of education technology」(100件以上の実験研究をまとめたこと、端末の配布だけでは学習成果はおおむね改善しなかったこと、コンピュータ支援学習は特に数学で有望で授業内や必修の宿題で効果が大きかったこと、オンラインだけの授業は対面より成績が低い傾向だったことを、2026年10月22日に確認)
  2. ベネッセ教育総合研究所 岡部悟志・中垣眞紀・木村治生「タブレット教材の学習ログを用いた学習成果の分析」(2018年。中学2年生約300人・約10か月、事前の学力を統制しても最終正答問題数と自己効力感が事後の学力に有意な正の影響、通塾は有意でなかったことを確認。題名は運営者が内容から付けた要約)
  3. 文部科学省「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック(令和4年3月改訂版)」(30cm以上、30分に1回20秒以上、姿勢、明るさ、眼精疲労・ドライアイ、就寝1時間前、屋外活動の記載を確認)
  4. 日本眼科医会 丸山耕一理事「ICT教育と目の健康啓発活動」(第24回日本眼科記者懇談会 報道用資料、2023年5月18日。30cm以上、30分に1回20秒以上、毎日外で120分以上、約2時間の屋外活動の近視抑制効果、屋内の長時間の動画・ネットゲーム・SNSと裸眼視力1.0未満の増加についての記載を確認)
  5. 厚生労働省「休養・睡眠領域資料」(健康日本21(第三次)推進専門委員会 資料4-1、令和6年3月11日。小学生は9〜12時間を参考に睡眠時間を確保する、という記載を確認)
  6. こども家庭庁「令和7年度 青少年のインターネット利用環境実態調査(概要)」(2026年3月27日公表。小学生(10歳以上)の平日1日あたり平均利用時間 約3時間54分(233.6分)、利用内容の動画視聴88.8%・ゲーム85.5%・勉強・習い事58.3%を確認)
  7. 内閣府 経済財政諮問会議の参考資料「スマートフォン・SNS等の長時間利用と学力との関係」(全国学力調査とPISA2022をもとに、余暇のSNS・デジタルゲームの時間が一定を超えると得点が低下する傾向、という記載を確認。小学生だけの内訳はなし)
  8. 文部科学省「OECD生徒の学習到達度調査 PISA2022のポイント」(日本は高校1年生相当の約6,000人が参加。「SNSやデジタルゲームに費やす時間が一定時間を超えると、3分野の得点は低下する傾向」の記載を確認)
  9. Delgado, Vargas, Ackerman, Salmerón「Don't throw away your printed books: A meta-analysis on the effects of reading media on reading comprehension」Educational Research Review, 25(2018年)。要旨はテクニオン(イスラエル工科大学)の研究成果ページで確認(54件・171,055人、g = −0.21、時間制限・説明文・新しい研究ほど紙が有利。論文本文は開けていない)
  10. 日本小児科医会「子どもとメディア」対策委員会「「子どもとメディア」の問題に対する提言」(2004年。メディアに触れる総時間は1日2時間までを目安、テレビゲームは1日30分までを目安、という項目を確認)
  11. スマイルゼミ「小学生コース 料金」(6か月未満で退会した場合の専用タブレット代 税込32,802円、6か月以上12か月未満 税込7,678円、12か月以上継続で税込10,978円を2026年10月22日に確認)
  12. デキタス「料金」(小学生コース月額3,960円(税込)、初期登録料990円(税込)、専用の機器は不要で手持ちの端末で学習できることを2026年10月22日に確認)

この記事について:上の資料を2026年10月22日に開いて、内容と数字を確かめて書きました。確認できなかったことは次のとおりです。(1)小学生の家庭学習に限ってタブレットの影響を調べた研究。(2)タブレット学習と視力・近視の因果関係(文部科学省の近視実態調査は、この記事では使っていません)。(3)紙と画面の研究の論文本文と、対象年齢の内訳。(4)米国小児科学会(AAP)の家庭向けメディアプランのページは、この環境から開けなかったため使っていません。
この記事は、運営者が一般的な情報をもとにまとめたもので、医療・教育の専門家による監修は受けていません。お子さんの目や睡眠・体調が気になるときは、小児科や眼科にご相談ください。

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