タブレット勉強は目に悪い?視力の数字とスマホとの違いを調べた
結論:「原因」とは言い切れない。でも使い方の目安はある
この記事を書いたのは、神奈川で共働きをしながら子ども3人を育てている親です。
わが家はスマイルゼミを子ども2人分使っていましたが、子どもがやらなくなって解約しました。
目のことは医療の専門外なので、今回は国や眼科の団体の資料を開いて調べた範囲で書いています。
タブレット学習の効果(成績が上がるかどうか)は、タブレット学習の効果は?研究でわかった「効く使い方」と「効かない使い方」にまとめました。
このページは「目」の話にしぼります。
タブレット勉強は目に悪い?国の調査でわかること
まず数字から見ます。
文部科学省の学校保健統計では、令和7年度に裸眼視力1.0未満だった子の割合は次のとおりです(かっこ内は令和6年度)[2]。
- 小学校 36.07%(36.84%)
- 中学校 59.35%(60.61%)
- 高等学校 71.51%(71.06%)
小学生の3人に1人を超える数字です。ただ、この統計は視力検査の結果で、タブレットとの関係を調べたものではありません。
近視実態調査:机に置くPC・タブレットは「関連あり」、ただし相関
文部科学省は、小中学生の目を眼科の機械で測る「児童生徒の近視実態調査」も行っています。令和4年度は29校の8,846人が対象でした[3]。
わかったことは次のとおりです[3]。
- 近視の割合は、小学1年で17.3%、小学6年で52.8%でした(報告書の定義による)。
- 休日に机に置くタイプのPC・タブレットを使う時間が長いほど、近視の割合が高い傾向でした(小学生の男女と中学生の女子)。
- スマホや携帯ゲーム機などの「手元で見るタイプ」は、全体では明らかな傾向が見られませんでした。
- 学校以外での勉強・読書の時間が長いほど、近視の割合が高い傾向でした。
- 休み時間などに外にいる時間が長いほど、小学生の近視の割合が低い傾向でした。
ここで大事なのは、どれも「関連」で、原因を示したものではない点です。
報告書自身が、学年以外の要因は調整していないこと、1年分の横断的な結果であることを注意点に挙げています[3]。
紙の勉強や読書でも同じような傾向が出ているので、「タブレットだから」というより「近くを長く見ること」全体が関わっている可能性があります。
ここは運営者の読み方で、調査が言い切っていることではありません。
近視は「目の奥行きが伸びる」こと
近視は、目の奥行き(眼軸長)が伸びて、ピントが網膜の手前で合ってしまう状態です。
令和4年度の調査では、眼軸長の平均は小学1年の男子で23.18mm、中学3年の男子で24.69mmでした[3]。
令和3年度の報告書では、眼軸長が1mm伸びるとおよそ3D(ディオプター)の近視になる、と換算されています[4]。
日本眼科医会の資料では、近視は将来、緑内障や網膜剥離などにかかりやすくなる「目の病気」と説明されています[5]。
「眼鏡をかければいい」だけで済ませず、早めに気をつけたいところです。
近視と「距離・時間・外遊び」の関係
文部科学省の「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック」(令和4年3月改訂版)は、近視の原因について「遺伝と合わせて、生活習慣が有力」と書いています[1]。
家庭で気をつけられるのは、次の4つです。
距離:30cm以上
ガイドブックも日本眼科医会も、目と画面を30cm以上離すとしています[1][5]。
姿勢が悪いと画面に顔が近づくので、机と椅子の高さを体に合わせることもすすめています[1]。
椅子の合わせ方は子どもの勉強椅子の選び方と正しい姿勢にまとめました。
時間:30分に1回は区切る
ガイドブックの目安は「30分に1回は、20秒以上、画面から目を離し遠方を見る」です[1]。
読書・スマホ・ゲームなどの近くを見る作業は、1時間したら5〜10分くらい休む、とも書かれています[1]。
2025年に日本弱視斜視学会などが出した提言では「少なくとも30分に1回は、30秒以上」とあり、秒数が少し違います[6]。
迷ったら長めの30秒にしておけば、どちらの目安も満たせます。
海外でよく聞く「20-20-20ルール」(20分ごとに約6m先を20秒見る)は、今回は公的な原典を開いて確かめられませんでした。
このページでは国内の資料の数字を使います。
明るさ:照明をつけて、画面も合わせる
暗い部屋では瞳孔が開いてピントが合いにくく、目が疲れやすいとされています[1]。
ガイドブックは、部屋の明るさに合わせて画面の明るさを調整し、夜に家で使うときは昼の教室より明るさを下げることをすすめています[1]。
外遊び:できれば1日2時間
ガイドブックの近視予防の項目には「1日にできれば2時間は外で遊ぶようにしましょう」とあります[1]。
日本眼科医会の資料でも、1日約2時間程度の屋外活動で近視の抑制効果がみられるとしています。
そのうえで「毎日、外で120分以上活動しよう」と呼びかけています[5]。
共働きだと平日2時間は大変ですが、登下校や休み時間、休日の公園も合わせて考えると少し気が楽になります。
うちは大丈夫?「目にやさしい使い方」度チェック
上の資料の目安を、家で答えやすい7つの質問にしました。
いちばん近いものを選ぶと、目にやさしい使い方度と、次に変えるとよさそうなことが出ます。
タブレット・スマホの「目にやさしい使い方」度
7問すべて選ぶと結果が出ます。端末の中だけで計算し、どこにも送りません。
7問選ぶと、ここに結果が出ます。
子どもにスマホとタブレット、どっちがいい?
「勉強に使うなら、スマホとタブレットのどっちが目にいいの?」という疑問に、正面から答えた国の調査は今回見つかりませんでした。
そこで、確認できた資料をもとに、画面の大きさと距離の違いを表にしました。
| 比べどころ | スマホ | タブレット |
|---|---|---|
| 画面の大きさ | 小さい(片手で持てる) | 大きい(机に置いて使える機種が多い) |
| 目との距離 | 手に持つと近づきやすい。大人129人の研究では平均32〜36cmで、紙の40cmより近かった[8] | スタンドで机に立てると30cm以上を保ちやすい |
| 文字の大きさ | 小さくなりやすく、顔を近づけがち | 拡大しても1画面に収まりやすい |
| 姿勢 | 下向きや寝転びになりやすい | 角度を変えて、目線を画面に合わせやすい[1] |
| 国の調査での近視との関連 | 「手元で見る機器」は全体では明らかな傾向なし[3] | 休日の「机に置くPC・タブレット」は長いほど近視の割合が高い傾向[3] |
| 共通の目安 | 30cm以上・30分に1回は遠くを見る・寝る1時間前は使わない[1] | |
表の「国の調査での近視との関連」は、タブレットのほうが不利に見えます。ただ、これは学年以外の要因をそろえていない相関の結果です[3]。
机に置く機器は勉強に使う時間とも重なりやすいので、この行だけで「スマホのほうが目にいい」とは言えません。
運営者の考えとしては、勉強に使うなら、距離と姿勢を整えやすいタブレットに寄せています。
スマホの研究は大人が対象ですが、画面が小さいほど顔が近づく、というのは家でも気をつけやすいポイントです[8]。
どちらを使っても、時間を区切る約束がいちばん先です。
スマホやゲームを近くで長く見る「内斜視」にも注意
浜松医科大学と国立成育医療研究センターの研究では、5〜35歳の後天共同性内斜視(急に目が内側に寄る斜視)の患者194人を調べました。
デジタル機器の視聴時間を初診時の半分以下に減らせたことが、改善と関連していたと報告されています[7]。
発症のピークは16歳で、中高生に多い結果でした[7]。
これを受けた提言では、近くを見る作業は30cm以上の距離を保つこと、遠くのものがダブって見えたら眼科へ行くことがすすめられています[6]。
こんな様子があれば眼科へ
家で目の状態を判断するのは難しいので、次のような様子が続くときは眼科で相談してください。
学校の視力検査で受診をすすめる紙をもらったときも同じです。
- 遠くのものがダブって見えると言う[6]
- 目を細めて見る、テレビや黒板に近づいて見る
- 目の疲れや頭痛をよく訴える
- 目が寄っているように見える
上の2つめ以降は、資料の文をそのまま写したものではなく、一般に受診のきっかけとしてよくいわれる様子です。
5歳未満の子は、斜視になっても見え方がおかしいと言わないことがある、と提言に書かれています[6]。
小さい子ほど、大人が気づいてあげたいところです。
正直なところ:わかっていないこと・気をつけたいこと
- タブレット学習が子どもの近視の原因になるかを、くじ引きのように分けて確かめた国内の研究は、今回見つけられませんでした。
- 小学生のタブレット学習について「1日○分まで」という公的な上限の数字も、見つかっていません。
- スマホの距離の研究は大人が対象で、子どもの数字ではありません[8]。
- このページのチェックと比較表は、資料の目安を家で使いやすくまとめたものです。医学的な判定ではありません。
「目に悪いからタブレットはやめる」と決める前に、距離・時間・外遊びの3つを見直すほうが、勉強の道具を手放さずにすみます。
紙の勉強や読書でも近くを見る時間は増えるので、どの道具でも同じ目安を当てはめるのが現実的です。
タブレット教材を比べている方へ(PR)
わが家が使ったことがあるのはスマイルゼミだけです。ほかの教材は使っておらず、公式サイトで調べた内容です(2026年10月時点)。
- スマイルゼミ:専用タブレットで学ぶ通信教育。資料請求は無料です。6か月未満で退会すると、税込32,802円のタブレット代がかかります。わが家も解約のときにタブレット代の残りを払いました。
- デキタス:専用の機器は不要で、家のタブレットやパソコンで使えます。小学生は月額3,960円、初期登録料990円です。無料体験は、入会しなければ費用はかかりません。
どちらも画面を見る教材なので、上の距離と時間の目安はそのまま当てはまります。
解約のときの流れはスマイルゼミの解約、うちは2人分やめましたに、ほかの教材との比べ方は小学生の通信教育の選び方にまとめています。
よくある疑問
タブレットで勉強すると、目が悪くなりますか?
今回確認した資料からは、断定できません。
文部科学省の近視実態調査では、休日に机に置くPC・タブレットを長く使う子ほど近視の割合が高い傾向がありましたが、ほかの要因をそろえていない相関の結果です[3]。
30cm以上離す、30分に1回は遠くを見る、という目安を守るのが現実的です[1]。
子どもにはスマホとタブレット、どっちがいいですか?
どちらが目にいいかを直接比べた国の調査は、見つかりませんでした。
勉強に使うなら、画面が大きく机に置けて、30cm以上の距離をとりやすいタブレットのほうが目安を守りやすいと運営者は考えます。
どちらでも、時間を区切ることが先です。
1日何時間までなら大丈夫ですか?
小学生のタブレット学習について、公的に決められた1日の上限は確認できませんでした。
確認できたのは、30分に1回は20秒以上遠くを見ることと、近くを見る作業を1時間したら5〜10分休むという区切り方の目安です[1]。
どんな様子なら眼科に行けばいいですか?
遠くのものがダブって見えると言うときは、眼科での相談がすすめられています[6]。
目を細める・近づいて見る・目が寄って見える、といった様子が続くときも早めに相談してください。
参考にした資料
- 文部科学省「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック(令和4年3月改訂版)」(目と画面の距離30cm以上(p.9ほか)、30分に1回・20秒以上遠くを見る(p.10ほか)、照明・画面の明るさ・夜は明るさを下げる(p.5〜11)、姿勢と机・椅子(p.9〜11)、就寝前1時間(p.12・17)、近視の原因は遺伝と生活習慣が有力・1日にできれば2時間は外で遊ぶ・近業は1時間で5〜10分休む(p.15)を確認。2026年10月22日確認)
- 文部科学省「令和7年度学校保健統計(学校保健統計調査の結果)について」(令和8年2月13日公表。裸眼視力1.0未満の割合(小学校・中学校・高校の令和7年度と令和6年度)を確認。2026年10月22日確認)
- 文部科学省掲載「令和4年度 児童生徒の近視実態調査 調査結果報告書」(調査対象29校・8,846人、近視の有病割合(小1で17.3%・小6で52.8%)、眼軸長の平均、休日の机置き型PC・タブレット、手元で見るタイプの機器、勉強・読書、屋外の時間と近視の関連、学年のみで調整した横断的な結果という注意点を確認。2026年10月22日確認)
- 文部科学省掲載「令和3年度 児童生徒の近視実態調査 調査結果報告書」(眼軸長1mmの延長がおよそ3Dの近視化に相当するという換算を確認。2026年10月22日確認)
- 日本眼科医会 丸山耕一理事「ICT教育と目の健康啓発活動」(第24回日本眼科記者懇談会 報道用資料、2023年5月18日。近視は緑内障・網膜剥離などのリスクになる目の病気であること、1日約2時間程度の屋外活動で近視の抑制効果がみられること、「毎日、外で120分以上活動しよう」、画面と目を30cm以上離すことを確認。2026年10月22日確認)
- 日本弱視斜視学会・日本小児眼科学会・日本視能訓練士協会「若年者の後天共同性内斜視に対する提言」(令和7年6月2日。近見作業は30cm以上の距離を保つ、少なくとも30分に1回は30秒以上遠くを見る、遠くのものがダブって見えたら眼科へ、5歳未満は見え方の異常を訴えないことがある、を確認。日本眼科医会のサイト掲載。2026年10月22日確認)
- 浜松医科大学・国立成育医療研究センター「若年者の後天共同性内斜視の特徴を明らかに」(令和7年3月27日。5〜35歳の194人、発症のピークが16歳、視聴時間を初診時の半分以下に減らせたことが改善と関連、を確認。2026年10月22日確認)
- Newswise「How Close Do You Hold Your Smart Phone?」(2011年7月12日。Optometry and Vision Science 2011年7月号のRosenfieldらの研究の紹介。スマホ利用者129人の平均視距離がメッセージで36cm・ウェブ閲覧で32cm、紙の典型的な距離が40cmであることを確認。対象の年齢は記事に記載がなく、論文本文は開けていない。2026年10月22日確認)
この記事について:上の資料を開いて、書かれている内容と数字を確かめて書きました(2026年10月22日)。確認できなかったことは次のとおりです。(1)「20-20-20ルール」の公的な原典。(2)スマホとタブレットのどちらが子どもの目によいかを直接比べた研究。(3)小学生のタブレット学習の1日の上限時間を定めた公的な数字。比較表の「なりやすさ」とチェックの点数は、資料の目安をもとにした運営者の見方です。
この記事は医療の専門家による監修を受けていません。診断や治療の助言ではありません。お子さんの目が気になるときは、眼科で相談してください。内容に誤りがあれば、お知らせください。