上がり九九・下がり九九・バラ九九のちがい|練習の順番と家でのやり方
九九の練習では、「上がり」「下がり」「バラ」という言い方を耳にすることがあります。
どれも同じ九九を唱える練習ですが、唱える順番がちがい、身につく力も少しずつちがいます。
このページでは、3つのちがいを表で比べ、家で練習する順番と、それぞれのやり方をまとめました。
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7の段を例に、3つの練習を比べました。むずかしさは、運営者が唱える順番の手がかりの多さから見立てたものです。
| 練習 | 唱える順番(7の段) | 身につくこと | むずかしさ |
|---|---|---|---|
| 上がり九九 | しちいちがしち、しちにじゅうし … しちくろくじゅうさん | 段を通して唱える唱え方とリズム | やさしい |
| 下がり九九 | しちくろくじゅうさん、しちはごじゅうろく … しちいちがしち | 前の九九にたよらずに思い出す力。答えが段の数ずつへること | ふつう |
| バラ九九 | しちろく? しちさん? しちく?(順番はばらばら) | 聞かれた九九にすぐ答える力。計算で実際に使う形 | むずかしい |
呼び方は、学校や教材によってちがいます。
たとえば東京都立光明学園の教材の資料では、「上り」「下り」「バラバラ」という言い方が使われていました[1]。
お子さんの学校で別の呼び方をしている場合は、そちらに合わせてください。
上がりだけでは足りない理由
「しちいちがしち、しちにじゅうし…」と上がり九九がすらすら言えても、いきなり「7×6は?」と聞かれると答えに詰まる子は少なくありません。
7×1から順番に唱えて、7×6までたどりついてから答えを思い出しているためです。
光明学園の資料でも、「〇×1、〇×2…」と順番に言って思い出している子の様子が書かれ、カードを並べかえて下りやバラバラにも挑戦する、という進め方が紹介されていました[1]。
東京書籍の教科書(新しい算数2下)をもとにした岩手県の学習指導案にも、九九を答えの大きい方から唱えたり、途中から唱えたりする活動が入っています[2]。
また、ベネッセ教育総合研究所の2013年の調査では、2年生の九九のまちがいについて、唱えるときの言い間違いが原因と思われるという考察が書かれていました[3]。
順番を変えて唱えると、1つ1つの九九を確かめ直すことになり、あやふやな九九が見つかりやすくなります(運営者の見立てです)。
家で練習する順番
- 上がり九九:まずは九九表を見ながら、次に見ないで、段を通して唱える
- 下がり九九:上がりで止まらずに言えるようになったら、9から逆に唱える
- バラ九九(段の中):同じ段の中で、順番をまぜて答える
- いろいろな段をまぜる:習った段をまぜて答える。仕上げの段階
次に進む目安は「止まらずに言えたら」です(運営者の目安)。1つの段ずつ、この順番で進めると、段が増えても混乱しにくくなります。
どの段から始めるかは「九九を覚える順番」の記事で紹介しています。
それぞれの練習のやり方
上がり九九:聞いて、まねて、唱える
最初は九九表を見ながら、大人といっしょに声に出します。
唱え方があやふやな所は、「九九の読み方一覧」の🔊ボタンで正しい読み方を聞けます。
「さざんがく」「はっぱ」のように読み方が変わる九九は、ゆっくり確かめましょう。
下がり九九:9から、指でたどりながら
九九表を下から指でたどりながら、「しちく ろくじゅうさん、しちは ごじゅうろく…」と唱えます。
答えが7ずつへっていくことに気づくと、思い出す手がかりになります。
途中の「しちご」から唱え始めるなど、始める位置を変えるのもおすすめです。
バラ九九:大人が式を言い、子どもは答えだけ
大人が「しちろく?」と式だけを言い、子どもは「しじゅうに」と答えだけを言う形にすると、テンポよく続けられます。
九九カードをまぜて1枚ずつめくる方法もあります。カードを使った遊び方は「九九カードの遊び方」にまとめています。
紙で確かめたいときは、「九九テストのプリント」で順番を「順」「逆」「バラバラ」から選べます。
上がり・下がり・バラにそのまま対応しています。
九九ダッシュで練習するなら
九九ダッシュのモードと、3つの練習との対応は次のとおりです。
| 練習 | 九九ダッシュでのやり方 |
|---|---|
| 上がり九九 | 「だんをえらぶ」で段を選ぶ。最初の9問が、7×1から7×9まで順番どおりに出る |
| バラ九九(段の中) | 「だんをえらぶ」の残り6問はバラバラ。「きいてこたえる」で段を選ぶと、9個の九九がバラバラの順で出たあと、さらに6問出る |
| 段をまぜる | 「タイムアタック」(60秒)、「きいてこたえる」の「おまかせ」、まちがえた九九が多めに出る「にがてたいじ」 |
| 下がり九九 | ゲームにはないので、九九表を下から読むか、テストプリントの「逆」で練習する |
「だんをえらぶ」は、1回の中で上がりからバラへ進む作りです。
問題を読み上げ、答えると「しちは ごじゅうろく」と唱え直すので、声を聞きながら唱え方も確かめられます。
下から段を選ぶと、その段が選ばれた状態で始められます。
「きいてこたえる」は式を見せずに声だけで出題します。上がりで唱えられるようになってから使うのがおすすめです。
気をつけたいこと
- 上がりがあやふやなうちに、バラへ進まない:唱え方が固まっていないと、まちがえた答えのまま覚えてしまうことがある
- 下がりやバラで止まった九九は、あやふやな九九:その九九だけ、表を見て唱え直す
- 学校の進め方を優先する:音読カードなどで学校から練習の順番が示されている場合は、そちらに合わせる
- 長くやりすぎない:短い時間でも毎日続けるほうが、嫌いになりにくい
なかなか覚えられない段がある場合は、「九九が覚えられない子の悩み」もあわせて読んでみてください。
よくある疑問
下がり九九も練習したほうがいいですか?
上がり九九だけだと、順番に唱えないと答えが出てこないことがあります。
下がり九九は、前の九九にたよらずに思い出す練習になるので、上がりが言えるようになったら取り入れるのがおすすめです。
上がりは言えるのに、バラになると答えられません。
よくあることです。7×1から順番にたどって答えを思い出しているためです。
下がり九九や、途中の九九から唱え始める練習をはさむと、バラ九九に進みやすくなります。
九九ダッシュに下がり九九のモードはありますか?
ありません。「だんをえらぶ」は上がりからバラへ進む作りです。
下がり九九は、九九表を下から読むか、「九九テストのプリント」で順番を「逆」にして練習してください。
バラ九九と、段をまぜた練習はどうちがいますか?
このページでは、同じ段の中で順番をまぜるのを「バラ九九(段の中)」、いろいろな段をまぜるのを「段をまぜる」と分けています。
段をまぜるほうが、むずかしい練習です。
参考にした資料
- 東京都立光明学園「KOMEI 指導法/教材・教具の工夫(令和2年度 全国公開研究会)」(「3-1 九九カード ~九九を覚えよう!~」の部分。「上り」の確かめテスト、カードを並べかえて「下りやバラバラにも挑戦する」という進め方、「〇×1、〇×2…と順番に言って思い出している」子の様子を確認。特別支援学校の実践例です)
- 岩手県立総合教育センター「第2学年 算数「九九をつくろう」の学習指導案(東京書籍 新しい算数2下)」(「九九を,答えの大きい方から唱えたり,途中から唱えたりする活動」を確認)
- ベネッセ教育総合研究所「小学生の計算力に関する実態調査 2013 報告書」(2年生の「乗法九九」の部分。誤答が言い間違いに起因するものと思われるという考察を確認。PDFの文字の読み取り順が乱れていたため、文の前後関係はおおまかに確認しました)
この記事について:九九ダッシュのモードの説明は、2026年10月時点のゲームの作りにもとづいています。練習の順番と次に進む目安は、資料をもとに運営者がまとめたものです。